アーキテクト・ディベロッパーは(東京都中央区)は、土地活用のアパート建築と管理の受託で事業を拡大。管理戸数は4万3489戸(3月末時点)にまで成長した。2021年9月からトップに就任した木本啓紀CEOの下で、開発事業の強化や築古賃貸マンションを取得しバリューアップする新事業に着手するなど、事業領域を広げる。賃貸管理事業においては細かな経営目標設定やシステム導入により生産性の向上を図る。「カルチャーのある会社を作る」と話す木本CEOに同社の実績や今後の方向性について聞いた。
会社の経営改革推進 純利益、実質60%増
―この数年で会社の在り方を大きく変えてきましたね。
当社は、賃貸住宅の建築請負とPM(賃貸管理)を行うMDIとして、2008年に創業しました。19年9月にはソフトバンク(東京都港区)のグループ会社となり、22年4月に社名をアーキテクト・ディベロッパーに変更しました。新たな企業理念「美しい暮らし方を住まいから」を定め、ブランディングを進めてきました。23年6月には、本社オフィスを大幅にリニューアル。従来は重厚感のあるインテリアでしたが、木調を生かした、光が入ってくる明るい印象のオフィスになりました。
―利益が伸びているとか。
23年3月期の売上高は22年3月期比1.3%増の479億2600万円。純利益は同13%増の14億1300万円でした。純利益に関しては、22年3月期の特別利益の影響があり、、実質的には約60%の増加になりました。前経営体制からの負の遺産を整理すべく、保有資産の早期処分を進め、借入金を全て返済しました。結果として、20年3月期、21年3月期は大幅な赤字を計上するに至りました。新体制以降は、金融機関との関係再構築など大きく社内体制を改善し、22年3月期から黒字化。24年3月期以降は大きく売り上げ、利益ともに伸びると予想しています。