リクルート(東京都千代田区)は、不動産仲介会社向けの業務支援サービスの強化を急いでいる。
反響予測を点数化
入居申し込みに関わる実務のオンライン化を進める。それとともに、業者間の物件流通サイトでは「SUUMO(スーモ)」のビッグデータを活用し、掲載物件への反響の可能性を可視化。また、オンライン申し込みなどの利用回数に応じてSUUMO上で特別露出枠を付与するなどの差別化を図り、利用社数の増加を狙う。
同社が提供する業務支援サービスは「物確サポート・申込サポート by(バイ) SUUMO(以下、物確・申込サポート)」と、業者間物件流通サイト「会社間流通サイト by SUUMO(以下、会社間流通サイト)」の二つ。
これまでポータルサイトの機能拡充に注力してきたが、2020年より業務支援サービスの提供・拡充に着手。プロダクト統括本部の賃貸プロダクトマネジメントユニット・宮下俊ユニット長は「長らくエンドユーザーの利用者数を伸ばすことに注力してきた。エンドユーザーが多いことが、業務支援サービスでの強みとなる」と話す。
物確・申込サポートは、オンライン上で空室確認や入居申し込みなどを行うことができる。23年1月には家賃債務保証会社とシステム上で連携し、オンラインで審査が完了するようにした。8月21日時点で、自動連携できる家賃債務保証会社は6社で、今後も増やしていく予定だ。
それと同時に、RPA(ロボティック・プロセス・オートメーション)を導入し、物確・申込サポート上で入力した入居者情報の、管理システム上への自動転記を可能にした。
同様の機能を有する他社商品は複数ある。リクルートは後発となるが、SUUMOの強みを最大限に生かす。
具体的には、物確・申込サポートの利用回数により、SUUMO上の「ピックアップ店舗」という特別露出枠で上位に物件を表示させる。
さらに会社間流通サイトでは、9月13日に大規模なアップデートを予定する。過去にSUUMOに掲載された類似物件の反響数を基に、反響の可能性を点数化する。
「不動産会社が接客に集中できるよう、事務作業やプロセスを効率化するサービスを提供していく」(宮下ユニット長)
(2023年9月11日9面に掲載)