大阪府・東京都を中心に約4万戸を管理するアズ・スタット(大阪市)の子会社であるアセス信用保証(同)は、家賃債務保証(以下、保証)の管理システム「Asys(エイシス)」を提供している。
家賃債務保証システム
同システムは代理店となる不動産会社向けに開発された。入居申し込みから退去の手続きまで管理できるクラウドサービスで、紙の書類を用いて行う管理業務の削減につながる。特徴は、一回の入力で複数の保証会社に入居審査を行うことができる点だ。Asysを通して入居審査を依頼する際、アセス信用保証と提携する複数の保証会社が順次審査を行う。その中で承認が下りた保証会社がアセス信用保証と共に保証を行う体制をとる。
あっせんする保証サービスはアセス信用保証が提供する居住用家賃債務保証の「ニスモ」や、ペット飼育可の物件に向けた商品など。今後は、高齢者や外国人の入居に特化した保証サービスも提供していく予定だ。各保証会社は多様な入居者層を対象とした自社商品以外の保証サービスを提供できるため、契約者の間口を広げることができる。
入居審査において、不動産会社は各保証会社に1社ずつ審査依頼を行う必要があり、業務効率の点で課題があった。Asysを活用し、保証会社への依頼をアセス信用保証が担うことで審査時間の短縮が実現する。審査基準も各保証会社によって変わるため、多様な入居者属性に対応。10月5日時点で4社の保証会社へ依頼可能だ。
ニスモは2018年から提供を開始。保有契約数は約1万2000件で、代理店数は約200社となる。
今後、Asysに家財保険の管理や初回保証料の徴収管理機能を実装する予定だ。基幹システムとも連携し、オンライン申し込みにも対応できるようにする。佐藤邦彦社長は「今後は家賃債務保証会社との提携を増やしていきたい」と語る。
(2023年11月13日9面に掲載)