駐車場の上部空間を活用する「フィル・パーク」のほか、子会社でガレージ付き賃貸住宅を展開するフィル・カンパニー(東京都中央区)。いずれも有効な土地活用商品として、実績棟数の伸びは堅調だ。2023年2月に社長に就任した金子麻理社長は26年までに、前期(23年11月期)売上高の2.5倍となる150億円達成に向けて改革を進める。
前期比36%増収 リーシングに強み
―24年1月に前期の連結業績を発表しましたが、振り返っていかがでしょうか。
業績は売上高59億6300万円、営業利益2億1400万円という内容でした。総括としては、新型コロナウイルス下で縮小した営業・建築体制からギアを入れ替える1年間だったと思います。世間がマスクを外し始め、インバウンド(訪日外国人)が戻ってきたのが23年2月ごろ。私が社長に就任したのもちょうど同年2月でした。就任後は営業人員を増やしたり会社の仕組みを変えたりして、ようやく形になり始めたのが前期の第3四半期あたりからです。そこでの盛り返しがあり、売上高は当初予想から下方修正をしたものの、前期比36%増で着地できました。
―主力商品のフィル・パークと「プレミアムガレージハウス」のうち、コロナ下ではプレミアムガレージハウスが好調だった印象です。
プレミアムガレージハウスは、19年にM&A(合併・買収)で買った事業です。それまではフィル・パーク事業が好調でしたが、商業系不動産であるため、コロナ下での打撃が大きかったのです。そのときに、プレミアムガレージハウスが伸び始め、リソースをシフトしました。商業地で展開するフィル・パークに対し、郊外の土地活用商品となるプレミアムガレージハウスは、伸び伸びと在宅時間を楽しめるものとしてコロナ禍にマッチしたのです。両商品は競合しないため、ソリューション提案の幅も広がりました。
―外部環境が改善し、フィル・パークも再び伸びていきそうです。