2020年8月、東証1部に上場するトーセイ(東京都港区)は、同社初の不動産クラウドファンディング『TREC1号ファンド』の募集を開始したところ、1時間足らずで募集総額1億6240万円を完売しました。しかし、同年12月に募集を開始した『TREC2号ファンド』では状況が一変。販売が伸びず、キャッシュバックや募集期間の延長といった措置を講じましたが、募集総額3億2540万円に到達せず、最終的にはトーセイが自ら残額を購入してファンドを成立させました。申し込みが殺到した1号と販売に苦戦した2号、以下、その原因を考察します。
住宅かオフィスかが成否の分かれ目に
1号、2号の共通点
1号、2号ともに、①事業者から倒産隔離される「特例事業」を採用している、②事業の利益と損失が投資家に直接帰属する「エクイティ型」である、③中古不動産を改修してバリューアップを図る「リノベーション案件」である、といった共通点があります。