Q.不可抗力で建物が損傷した場合は?
A.原則として賃貸人に修繕義務があります
2023年度の宅地建物取引士試験の問9は民法の賃貸借からの出題でした。賃貸借は宅建試験では必ず2問以上は出題され、絶対に得点しなければならない分野です。
ただ、正答率は44%で、多くの受験生は選択肢の2か3で悩んでいました。読者の皆さまもぜひ掲載した問題を解いてみてください。
賃貸人の使用収益 目的物使用の義務
賃貸人は、賃借人に対して、契約と目的物の性質により定まった使用方法(用法)にしたがって、目的物を使用および収益させる義務を負います。そして、その前提として、目的物を賃借人に引き渡す義務も負います。
不可抗力の破損 修繕する必要あり
賃貸人は、引き渡すだけでなく、引き渡し後に賃借人の使用に支障が生じない状態を積極的に維持する義務も負います。つまり、賃借物の使用収益に必要な修繕義務を負います。賃貸不動産の破損等が天変地異など、不可抗力により生じた場合も賃貸人は修繕義務を負います。
ただし、賃借人の責めに帰すべき事由によってその修繕が必要となったときは、賃貸人に修繕義務はありません。