アパート建築のフランチャイズチェーン(FC)本部として事業を展開するGIFT(ギフト:神奈川県横浜市)。「PRIMA(プリマ)」「La storia(ラ・ストーリア)」など意匠性の高い欧風アパートメントを、工務店を中心としたFC加盟店を通して全国各地に供給している。同社の永田輝彦社長に、事業の概要や今後の戦略を聞いた。
工務店34社が加盟 賃貸市場に商機
―御社が企画したアパートを、FC加盟店となる工務店が建築するというスキームですが、累計の建築棟数は。
2024年1月期で累計供給数は約360棟、3500戸になりました。元々は輸入建材を扱う商社の一事業で、09年にスタートし、15年に会社として独立しました。加盟店数は34社となり、ここ2年で約2倍に増えています。同期は年間で約40棟・400戸を竣工しました。
―加盟ペースが大幅に伸びていますが、その理由は何でしょうか。
加盟店の大半は注文住宅を中心に手がけてきた工務店ですが、注文住宅の着工数は、賃貸住宅と比較して将来的に少なくなっていくと考えています。あるシンクタンクでは、新築住宅の着工戸数が40年度に55万戸となり、22年度と比較して約36%減少するとの予測を出しています。併せて、その中で賃貸住宅が全体の半数を超えるとの見方も示しています。現状、アパート建築を手がける工務店は少なく、供給のほとんどを大手メーカーが手がけていることから、注文住宅の受注競争と比較して賃貸住宅は商機が大きいといえます。
―工務店にとっては新規事業への挑戦になります。FC本部としてどのようなサポートをしているのでしょうか。
工務店は賃貸住宅の建築や営業提案のノウハウを持っていないため、当社からは建築商品のパンフレットや営業提案用のプレゼンテーション資料、事業収支計画を立てるためのソフトなどを提供しています。そのほか、賃貸住宅市場に関するセミナーや施工現場の見学会なども開催しています。19年ごろまでは、既存加盟店の受注支援に注力しており、加盟店の募集は控えていました。新型コロナウイルスの感染拡大以降、先々の予測がつかない中で積極的に加盟店を増やすよう方針転換をしたのも、加盟店数が伸びた要因です。工務店向けに注文住宅のプランを提供する会社と組んでセミナーも実施しています。
―コロナ禍は加盟店にとっても新たな領域にチャレンジする契機になったのでしょう。加盟条件はどのようなものですか。
加盟料として300万円、ロイヤルティーとして毎月10万円(いずれも税別)を頂いています。当社の売り上げには、このほかに建材の販売料なども含みますが、24年1月期の売上高は2億2700万円となります。