若者が新聞を読んでいない。本当だろうか。実は、ネットでかつてよりも読んでいるかもしれない。その「読ませ方」のトレーニングこそ、教え方改革が必要なのだ。今回は新聞の「読ませ方」を論じたい。
新聞も読んでないと嘆くことはない
こんな話を聞くことがある。「最近の若いもんは新聞も読んでないから世の中のことがわかってない」。常識知らずの社員を抱えた経営者の嘆きだ。では果たして本当だろうか。
昔から新聞読んでなかった?
若者はいつの時代も新聞を読まず、漫画やテレビや雑誌をみていた。経済ニュースや新聞の論評よりも、芸能界の話題やスポーツのほうが面白い。おそらくそれは、今も昔も変わらない。
しかし、昨今は、ニュースそのものをネットで読んでいる。印刷されている新聞のほうが情報が濃いかと言われれば、案外そうでもない。もしかしたら、今の若者のほうが、昔の若者よりも、政治経済の話題もニュースとしてネットで軽く読んでいたりもする。
事実としての情報よりそれをどう解釈するか
むしろ、凶悪事件や経済ニュースも、それをどう読み込むかというほうがポイントである。
なぜアメリカの大統領が日本に駆け付けるのか。なぜ北方領土は戻ってこないのかは、政治的かつイデオロギー的な話である。深読みしたところで、一個人のビジネススキルにそう役に立つとは考えにくい。
一方で、酔った勢いで、暴言を吐いた議員が進退を迫られるというニュースを、どう読むか。自身の「酔ったときの発言」に問題はないのか。あるいは、アイドルグループのツイッターでの発言が、降格処分になるほど炎上する。ではひるがえって、当社の社員のSNSでの発言に問題はないのか。日々のニュースは「それは当社や仕事に照らし合わせるとどうなのか」と深く考える必要がありそうだ。