道東エリアを商圏とする総合不動産会社、セクト(北海道北見市)の2代目トップである近江陵太郎社長は、企業成長のために改革を続ける。商圏最大手となってもなお、管理会社の強みを生かして市場を切り開く。
働き方改革と市場開拓を推進
年商10億6000万円 北見中心に3拠点
近江社長は「今、一番力を入れているのが人事評価制度の改革。例えば、高い給与や昇進スピードの速さなどに関して差別化を図ることで、働くことの価値をセクトにつくっていきたい」と語る。
北見市で管理規模を最大手まで成長させてきた同社が次に着手するのは、働きがいのある会社づくりだ。
2023年12月期の売り上げは、約10億6000万円。事業構成比率は、賃貸管理35%、リフォーム30%、売買仲介20%、賃貸仲介15%となる。
24年6月末時点の管理戸数は7251戸と、22年同月比で319戸増加した。従業員数は約60人で、北見市と美幌町に3拠点を展開。賃貸仲介は、大東建託リーシング(東京都港区)のフランチャイズチェーン「いい部屋ネット」に加盟する。
管理シェア2割超 後発から地場大手
設立は1996年。北見市では後発企業としてスタートした。近江社長が入社した2012年には、売り上げ規模は商圏内で2、3番手だったのが、今や、管理戸数は7000戸を突破。北見市と美幌町を合わせシェア率は2割超になり、地場大手不動産会社として認知されているという。
売り上げは、約12年間で3倍以上に成長した。「マンパワーによってサービスの質を担保してきたことで、管理戸数が拡大。売り上げをけん引してきた。入社当時は『セクトさん、夜中まで電気がついていたね』と同業他社に声をかけられるくらい、がむしゃらに働く環境だった」と近江社長は振り返る。