2万9908戸を管理する日本財託管理サービス(東京都新宿区)管理受託部の堀正明課長代理は、月100戸の受託を達成したこともある、すご腕管受託理営業だ。堀課長代理に、仕事で大事にしていることと、今後の目標を聞いた。
「つらいとき寄り添える上司に」
堀課長代理は「管理営業は提案の幅が広い。その提案をオーナーに理解していただき、狙い通りの成果が出たときの達成感はひとしおです」と話す。
2023年10月〜24年9月の個人での受託戸数は479戸。月平均で40戸程度の管理を獲得している。22年の年間受託戸数は201戸、23年は391戸と順調に成績を伸ばす。
同社の管理戸数純増数は年間2000〜3000戸で、堀課長代理の獲得数が大きく寄与していることがうかがえる。
23年12月には月間受託数100戸を達成。オフィス内でくす玉を割り、同僚らに祝福された。「その月はたまたま、大型の案件と一棟受託が数件重なったことで、月100戸を達成することができました。個人で月100戸は当社でもほぼないことです。その月は目が回るような忙しさでしたが、充実感があり、自信につながりました」と振り返る。
管理の提案は、資産価値を上げるための方策としてできることが広い。オーナーが不動産を保有する目的に合わせて戦略を練る。出口として長期保有か短期売却かによってもさまざまだ。これらの提案の際には具体的な数字と根拠を示すことが求められる。
そのため、堀課長代理は19年にCPM(米国公認不動産経営管理士)の資格を取得。CPM取得のメリットと、どう活用するのかを社長にアピールしたことで、会社が取得費用を全額負担してくれたという。「『管理を下さい』では受託にはつながりません。オーナーの資産価値を向上させるためにできることを、いろいろな角度から提案することがこの仕事の醍醐味(だいごみ)です」と話す。
堀課長代理が同社に入社したのは13年4月のこと。入社時は、新卒で勤務していた消費者金融での債権回収業務の経歴を生かし、債権管理部門での採用だった。15年ごろに上司の推薦で、当時同社が強化していた管理受託営業に異動した。
接客をする堀課長代理
初めからよい成績ばかりを出せたわけではない。「営業は山あり谷ありです。異動して2、3年目の頃は谷が続き落ち込んだ期間もありました」という堀課長代理。数字を挽回するために同業他社との交流会への参加数を増やし、アポを取り、地道な営業を続けたことが、徐々に数字につながっていった。
今後、堀課長代理は部署メンバーのマネジメントと育成に注力していくという。
「苦しい期間が続くと真面目な人ほど後ろ向きになってしまう。その気持ちが痛いほどわかります。ただ、頑張り続ければ表彰されるような結果につながるということも伝えられます。つらいときに寄り添い、営業として成果につながる手法や心構えを伝えていきたいです」(堀課長代理)
(2024年10月7日19面に掲載)