総合不動産会社のちえん(北海道帯広市) は、「70%の労力で利益を生み出せる組織」を合言葉に2代目トップの小田桐秀敏社長が経営のかじを取る。帯広市で設立38年を迎え、管理戸数は3000戸に迫る。社名の由来である「地(ち)域のご縁(えん)を大切に!!」の実践で、地元住民から得た信頼を事業につなげていく。
売上5億7000万円 工事・買取再販主軸
ー直近の業績を教えてください。
ちえんの2024年7月期の売り上げは5億7000万円です。事業構成比率は、リフォーム36%、買い取り再販24%、自社保有物件の家賃収入14%、賃貸管理13%、売買仲介9%、賃貸仲介5%となります。粗利ベースでみると、家賃収入および賃貸管理、売買仲介が主力の事業となります。十勝エリアの帯広市をメイン商圏とし、7月末時点の管理戸数は2734戸で、平均入居率は91%。エリア平均の80.9%より、約10ポイント程度高い数値です。管理物件の3分の1は自社で保有しており、それ以外の受託分の多くは地主の物件です。商圏内では、サラリーマン系の投資家が増えていますが、1986年設立の当社は、地主のオーナーとの接点が厚いです。主力の売買仲介は実需向けをメインに年間100件ほどを行います。従業員数はパートを含め27人です。
―商圏内で老舗の御社ですが、これまでどのように管理を受託してきましたか。
リーシングがきっかけです。空室をなくすことで実績をつくり、管理受託につなげてきました。9月末時点で受託するオーナー数は600人。主に既存オーナーからの紹介で管理受託を伸ばしてきました。私が社長に就任した15年には、看板デザインの統一を行ったことで、戸数拡大に寄与しました。管理看板、入居者募集看板、売り地看板の三つにおいて、4〜5種類もあったデザインを約1000万円かけて共通のデザインに統一。これまではデザインがバラバラだったせいで同一の企業と認識されにくかったのですが、統一性を持った看板を見た顧客に対し商圏内での当社の規模感を訴求でき、信頼の獲得につながりました。「ちえんって、大きな会社なんですね」と新規オーナーからの受託相談が増えた年でした。