クラスコ、不動産会社のブランディング【賃貸トレンドニュース ゲストレポート】

クラスコ

インタビュー|2025年03月19日

全国賃貸住宅新聞が運営するオンラインメディア「賃貸トレンド」で隔月に配信する生番組「賃貸トレンドニュース」からゲストトークの一部をお届けします。

社内外に向けた発信を統一

 不動産会社が商圏での認知度向上を図るため、ブランディングを強化する事例が増えている。ブランディングは、社員採用や人材育成などさまざまな場面で重要な役割を果たす。クラスコ・ホールディングス(石川県金沢市)は、いち早くブランディングの重要性を意識し、取り組んだ賃貸不動産会社の一つだ。今回、同社が新たに行ったブランディング活動について聞いた。

クラスコ小村典弘社長

クラスコ 石川県金沢市 小村典弘社長(50)

価値観の言語化で信頼を獲得

ー新たなブランディングの立ち上げについて。

 2024年12月に、新しくグループを統一する新ブランドとして「GO(ゴー)」を展開した。目的は会社のビジョン、ミッションなどの目線を統一すること。グループ会社が増えて商圏が広がり、顧客や社員、取引先に対して、企業ビジョンを明確に伝える必要性が高まった。以前よりプロモーションと経営におけるメッセージを統一する必要性を感じており、入居者や地域住民、オーナー、社員のいずれにもクラスコグループの目指すビジョンが伝わるようにしたかった。

ー新ブランド「GO」とは。

 私たちの新しいビジョンは「GO FUN(FAN)」(ゴーファン)。楽しい仕事を増やし、楽しい人を増やしていくことが目的だ。しかしグループ会社であっても、社名は異なるので、同じようなプロモーションができない状況だった。そこで「GO」ブランドを使って、プロモーションツールを統一した。さらに、社内向けに「GO FUN LIFE(ゴーファンライフ)」というスローガンを設定した。「お客さまにもっと楽しい人生を届けたい」という私たちの強い思いを込めている。単にサービスが良いのではなく、感動できるレベルのサービス提供を目指す。これには、期待値を言語化しないと「これでいい」となって終わってしまう。ゴーファンのファンはFAN(支持者) とFUN(楽しい)で、ファンにさせるぐらい感動させる対応の統一を図る。

ーブランディングの対象者について。

 対社外はもちろん、社内に向けたブランディングも重要だ。今はすべてが見える化されている。顧客や関連事業者との付き合い、働くうえでも私たちがやっていること、価値観、目指す未来を含めて知ってもらい、一緒に同じ方向に進んでもらいたい。そのためには、全方位的にブランディングしていくことが重要になる。社員、地域、オーナー、入居者に向けたブランディングだ。マーケティングツールによって変化するが、基本的な考えは見える化すべきだと思う。

ブランディングにおける人材採用の重要性を話す小村社長

ブランディングにおける人材採用の重要性を話す小村社長

ーマーケティングツールを「見える化」とは。

 どんなメッセージであっても、誰に見られてもいいという考え方だ。例えば求職者も見るかもしれないため、一貫して目指すところをつなげていかなければ不信感を抱かせる。目指すところを言語化して、オーナーやエンドユーザーなどすべてがつながるようにしていこうという発想だ。ただし、オーナー向け、社員向け、地域向けのメッセージ統一は難しい。経営哲学がしっかりしていないとぶれやすい。

ー採用活動で力を入れていることは。

 社員教育に力を入れている。新入社員研修、顧客対応、マネジャー用など、社員に合わせて研修本を用意した。eラーニングシステムも用意しているが、冊子にすると知識を物理的に把握でき、「採用活動時にしっかりと教育します」と宣言できる。現時点で、1500本の動画を用意している。冊子も同じ内容を制作した。今の若者は効率的に成長したいという願望があるようだ。会社として「絶対成長させます」という信用のアピールにつながる。

視聴者アンケート結果

視聴者アンケートも実施した

ー採用活動の結果は。

 これまで難航していた男性社員の採用だが、25年度は採用者の6割が男性になった。会社の採用に関する冊子を新たに作り、私たちの価値について全部言語化したことが役立った。これは会社の方針や研修内容などをすべてまとめた本なので社員教育用のものとは異なるものだ。就活生の未来は今より良くなって、どこにも負けない会社をつくるから、一緒に働きましょうというメッセージを200ページ超で伝えている。

ー他社から受ける相談で多いことは。

 一番多い相談は、どのように自社の認知度を向上させるかについてだ。やはり認知度が高い、つまり自分が知っている企業に就活者は応募する。これに対して、自社の価値を言語化した目指すべき姿をロゴなどのデザインに落としていくと、採用時に目指す未来を語れるようになる。また、新卒は特に就職先に関して親へ相談するケースが多い。親は会社のホームページを確認する。そのため、ホームページが自社の価値が伝わる内容になっていれば安心感につながる。現在は、会社の価値観をビジュアル化していくサポートに取り組んでいる。

会社概要

賃貸トレンドニュースは隔月の第4木曜日に、ライブ配信するオンライン番組です。
これまでの配信詳細はコチラ▷賃貸トレンド(https://trend.zenchin-fair.com/archives/category/mov/trendnews

(2025年3月17日17面に掲載)

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