かつて街のすし店の値札には、「時価」と書かれた品が多かった。「並一人前」くらいしか注文のしようがなかった。そんな状況に革命をもたらしてくれたのが、回転ずし。もっと正確にいえば鈴茂器工(東京都練馬区:6405)が開発した世界初の「寿司ロボット」の存在だった。すしロボットの普及が回転ずし店のチェーン化を進め、すしは「特別なときの食べもの」から解放された。
鈴茂器工が寿司ロボットの第1号を開発したのは1981年10月。鈴茂器工は61年に、故鈴木喜作氏により設立された製菓機械メーカー。「もなかあん充塡機」などをつくっていたという。もなかにあんを入れる機械という企業文化を継続していた。その後、寿司ロボットを開発後、その改良や改善の道を歩み現在の基礎を築いていった。前3月期で手がける商品の売り先は国内向け売上高比率でみると、「スーパー:36%強」「すし店:25%弱」「工場・給食:14%弱」「レストラン・食堂:11%弱」「テークアウト・宅配:11%弱」という具合。前期でみると、総売上高の23.4%を海外が占めている。健康食=すしが背中を押している結果だ。