東京海上ウエスト少額短期保険、賃貸向け家財保険 35万件【新社長インタビュー】

東京海上ウエスト少額短期保険

インタビュー|2025年05月29日

東京海上ウエスト少額短期保険 大阪市 星野 孝 社長(53)

 賃貸住宅の入居者向け保険を販売する東京海上ウエスト少額短期保険(以下、ウエスト少短:大阪市)のトップに星野 孝氏が就いた。住宅確保要配慮者(以下、要配慮者)向け商品の開発や、組織力の向上などに従事していく。

現場の声重視、商品企画に意欲

24年度年商41億円

 星野新社長は「商品開発部門に長く従事してきた経験から、新たな商品サービスの企画・開発を目指す。加えて拠点間の関係性を強化し、既存商品の品質向上にも注力していきたい」と話す。

 同社は賃貸住宅の入居者向け保険「お部屋の保険ワイドⅡ(ツー)」を主力商品として提供。入居者の損害を補償するほか、オーナーに対する借家人賠償責任補償や個人賠償責任補償などを付帯している。

 2024年3月期の売上高は単体で前期比3%増の約41億円。お部屋の保険ワイドⅡの売り上げが売上高の80%を占めている。保有契約数は約35万件、24年度の新規契約数は約9万件だ。 売上高推移グラフ

 グループ会社の東京海上ミレア少額短期保険(神奈川県横浜市)との合算での保有契約数は約150万件、新規契約数は約24万件にのぼる。

 同社の代理店である管理会社の規模感は、管理戸数1000戸以下の中小規模の企業から、10万戸程度までと幅広い。

商品開発に従事

 星野社長が伸びしろを感じているのが、高齢者や外国人などの要配慮者向けの商品だ。要配慮者が賃貸住宅に入居しやすくなるようなサービスを企画したいとする。

 これまで商品開発チームの責任者として、メンバーをまとめてきた経験を生かしていく。

 星野社長は1997年に東京海上保険(現:東京海上日動火災保険)に入社。保険の商品開発のほか、経営企画などに従事した。

 2017年4月〜20年3月には東京海上日動火災保険のアメリカ法人Tokio MarineAmerica(トウキョウマリンアメリカ:アメリカ)で保険引受部門長を務めた。20年4月からは日本に戻り、東京海上日動火災保険の経営企画部部長に着任。22年4月から同社の商品開発を行う火災企業新種業務部のジェネラルマネージャーを務め、25年4月より現職となる。

 トップ就任の直前には、「災害を減らす・防ぐ」をコンセプトとした保険サービスを開発。23年にリリースしている。

 星野社長が商品開発において重視するのは「現場の声」だ。どのような顧客のニーズがあるのかを、実際に代理店営業にあたる社員が吸い上げ、保険商品に反映することが重要だと考えている。

組織力向上に軸足

 「少額短期保険業界は、成熟感のある業界になってきた。これからの成長はより難しくなると感じている。その中で事業規模を拡大していくには、これまでにも増して顧客の声を反映した商品・サービスを企画、提供することが重要になり、選ばれ続ける企業になっていく必要がある」(星野社長)

 現場の意見を反映するためには、営業社員と商品企画に携わる社員との連携を強化することが有効だと感じている。イメージするのは「タテ・ヨコ・ナナメ」での連携強化だ。タテとは同じ部署内での上司・部下間の関係性を指し、ヨコは部署をまたいだ連携のことを指している。そしてナナメは、違う部署のマネジメント層と現場社員とのつながりのことだ。異なる部署でも距離感を縮め、相談できるような間柄の構築を目指す。

 まずは自ら率先して社員とコミュニケーションをとるようにしているという。現在は各拠点を回り、社員と仕事の話や雑談を交わす。現場の意見を反映するため、営業社員に商品企画のミーティングに参加してもらうようにもしている。ナナメの関係強化のために、他部署の部下の面談を行う「クロス面談」も実施していきたいとする。

 「これまでさまざまなプロジェクトの事業責任者を務めてきた経験上、社員同士の距離感により、生産性が違うと実感している。各部署の協力体制を構築し、拠点間での協働も強化していきたい。各拠点、各社員が持つ情報が共有されやすい環境をつくり、顧客のニーズに応える商品・サービスを開発、提供していく」(星野社長)

(國吉)
(2025年5月26日20面に掲載)

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