産業構造に課題 中小企業が9割超
「不動産業界はなぜこんなにアナログなの?」「不動産業界のDX(デジタルトランスフォーメーション)化は難しいので事業を撤退します」。昨今、こんな声を耳にします。不動産業界でDX化が進まない原因は何なのでしょうか。
それは、産業構造にあると考えます。産業構造は業界全体の効率性や改革の進行度に大きく影響します。上位企業が市場シェアを支配しているのか、それとも多数の中小企業が分散しているのか、その内訳によって大きく変わります。
総務省統計局「令和3年経済センサス」によると、不動産業界は約42兆円の巨大市場であり、企業数は30万社もあります。ほぼ同じ規模の自動車・同付属部品業界は企業数が約4000社です。
不動産業界は従業員数が5人未満の事業所が全体の約90%以上だといわれています。つまり、業界の大半が小規模な企業によって構成されているといえるでしょう。
この産業構造こそが、不動産業界のDX化が進まない根本的な原因であると考えられます。