地方の営業拠点を黒字化
賃貸住宅開発に積極姿勢
パナソニック ホームズ(大阪府豊中市)は、都市部での事業拡大に向け、地方での経営基盤を安定化。賃貸住宅事業では、ランドセット案件の仕入れを進める。
グループの2024年度決算は、売上高が23年度比3%増の3720億円。経常利益は同18.5%増の128億円と増収増益。
セグメント比率は、新築事業が66.5%、ストック事業が27.1%、そのほか街づくり事業・海外事業となる。
賃貸住宅の建築事業は22年度の880億円から、23年度に1021億円、24年度に1012億円と1000億円台を推移。25年度は1060億円を計画する。東京・名古屋・大阪とその周辺の三大都市圏での売り上げが7割を占めるのが特徴だ。
市場環境について、新設住宅着工件数は減少するものの、1都3県(東京、神奈川、埼玉、千葉)における戸数減少は限定的とみる。東京・名古屋・大阪での事業に商機を見いだす。多層階住宅の「Vieuno(ビューノ)」の販売を伸ばしていく。
藤井孝社長は「特に東京都内の事業に投資をしていきたい。そのために、地方の営業拠点が自活するよう取り組んできた」と語る。
事業計画の策定や予算、人事権などについて地方の営業拠点への、権限移譲を積極的に実施。23年度に赤字だった11拠点のうち、9拠点が24年度には黒字化した。地方拠点の収支を盤石化することで、強化エリアである東名阪にリソースを集中していく。
賃貸住宅の販売戦術拡大にも目を向ける。同社で土地を仕入れ、賃貸住宅を建築して投資家や富裕層に販売するランドセット案件を強化。ランドセット案件は24年度に20億円ほどだったが、30年度は160億円を目論む。一棟の販売価格は、都市部で5億~10億円、地方では4億~5億円を目安として開発。金融機関から顧客紹介を受けて資産家や富裕層に提案していく。
「都内であれば、事業性の高い物件を企画でき、そうすることで会社としての利益率向上にもつながるだろう」(藤井社長)
25年度に売り上げ3870億円、営業利益率4.1%を計画。中期的には30年度に売り上げ5000億円、営業利益率5%を掲げる。
(2025年8月25日1面に掲載)




