30年度に売上160億円超目標
パナソニック ホームズは、土地と賃貸住宅などの建物を一体で販売するランドセット事業を本格化する。
直近では全社横断のプロジェクトを立ち上げ、各支社が個別に展開してきた事業体制を見直した。大規模分譲で実績を持つ街づくり事業部もプロジェクトメンバーに入り土地仕入れを支援。物件の企画・設計・施工、投資家への販売は各支社が担う。専門性を生かした役割分担により競争力を高め、当面は東京、名古屋、大阪、福岡の主要都市圏を中心に展開していく。
同社がランドセット販売を強化する背景には、富裕層や企業の間で、資産ポートフォリオ分散の一環として不動産投資への関心が高まっていることがある。とりわけランドセット販売は、更地から建物を企画・建築する従来の土地活用とは異なり、完成形が見えた状態で購入できる点が特徴だ。
営業戦略部特建推進課の北條賢宏課長は「出口まで見据えた提案が可能なため、投資家は検討にかかる時間的コストを抑えられる。事業期間もコントロールしやすい」と話す。
購入を想定する投資家層は、物件規模に応じて幅広く設定する。5億円未満の物件では、主に個人の相続対策需要を見込む。一方、10億円から30億円規模では、資金力のある中小企業の法人税対策に加え、リートやファンドなど機関投資家への売却も視野に入れる。複数物件のバルク販売も見据え、金融機関や不動産投資会社とのネットワーク強化を進める方針だ。
商品面では、同社の主力である鉄骨構造を採用する。郊外の低層から都心の高層まで幅広く対応し、最大35年の長期保証も付与する。メンテナンスの手間や費用を抑えられる仕様を標準化し、投資家の運用負担軽減につなげる。
「将来的な外壁メンテナンス費用を抑えられるため、購入段階で修繕費を見通しやすい。建築資材や人件費が高騰する中でも、中長期の安定経営に寄与できる点が差別化につながる」(北條課長)。加えて、戸建て分譲地と賃貸住宅を組み合わせたハイブリッド型開発も視野に入れる。手がける案件数を増やすことでブランド価値の向上と工事の平準化につなげ、既存事業とのシナジー創出を狙う。
中長期目標として、2030年度に同事業で売上高160億円以上を目指す。都心部を中心に土地仕入れ競争は激化しているものの、これまで培ってきた不動産ネットワークや既存顧客からの紹介ルートを活用し、安定的な用地取得を進める。目標の前倒し達成も視野に入れ、収益の新たな柱として育成していく構えだ。
(2026年5月18日1面に掲載)





