「スキルは可視化できる」と話すカシスト(鹿児島市)の吉松良平社長は、建設現場で職人が持つ技能を動画のマニュアルに仕上げる。対人営業のスキルといった領域にもマニュアル作成の幅を広げ、事業の拡大を目指す。
動画マニュアルで職人育成
こつを見える化 塗装会社23社利用
カシストは「所作」「作業のこつ」「エース人材のノウハウ」などを動画マニュアルとして可視化する「カシスト」を提供する。スマートフォンからも利用可能なクラウドサービスとして提供し、人材育成に活用してもらう。2025年3月から、リフォーム塗装業界に特化した「カシストリフォーム塗装」のβ(ベータ)版の提供を開始。無料トライアルで展開し、9月10日時点で23社が登録している。
吉松社長は「例えば、塗装の現場では、新人が液体の材料をこぼしてしまうことが多いです。こぼさないためのこつは、注ぎ口の向きにあります。下に向けてしまいがちな注ぎ口を上向きにすることで、液体がこぼれにくくなります」と語る(画像1参照)。一方で「このような細かい『こつ』はたくさんありますが、すべてを現場で指導することは困難です」とも話す。現場は、経験の浅い職人に心理的な安全性を担保するのが難しい。けがのリスクに配慮しながら限られた時間で生産性を上げることを考えた時、上司が部下に丁寧に教えることは至難の業だ。そこで、現場作業向けに、作業工程から効率的な作業ができるこつまでを、シーンごとに切り取りマニュアル化するサービスを開発した。




