やりがいある仕事と家庭両立で地方生活を後押し
前回の連載で、人口減は日本の喫緊の課題であり、その対策としてエリアの活性化、すなわちタウンマネジメントがある。そして、タウンマネジメントは不動産業者こそが主導的に行うべきことだ、と書いた。今回は、具体的に何をなすべきかと述べてみたい。
エリアを活性化するとは、結果的にそのエリアの人口減少を抑えることである。人口減少を抑えるためには、やはり子供を産む世代、つまり20~30歳代の人たちをそのエリアにとどまらせるか、他のエリアから呼び込むことが必要になってくる。そして、そこで子供を産んでもらうのだ。そのためには、まずその人たちの雇用が確保される必要がある。働いて家族を養っていけなければそこには定住できない。そして、子供を産んで育てる環境が充実している必要がある。重要なポイントとしては、①自分が働きたいと思う仕事があるか(雇用)、②適当な住宅はあるか(住居)、③子供がいれば学校の質・保育園の有無(教育)、④自分を取り巻く環境・人間関係(周囲の環境)、の4つが主なものであろう。これら4つ、「雇用」「住居」「教育」「環境の整備」がエリアのベーシックな課題となる。
エリアに戻ってきたり、やってきたりする理由の一般論として、特に都会と比べて地方は、いろいろなメリットがある。自分の生まれ故郷を離れて都会の大学等に進学し、そのまま就職する若者が多いが、このまま一生都会に居ていいのだろうかと考えている人は確実に存在する。物価が安く、住居費が安ければ実質所得の増加といえるだろう。保育園が確保できないなどの障害が少なければ子育てがしやすいし、近所に親や親戚がいればなおのこと、ちょっと子供を預けるというようなこともできる。共働きもしやすいだろうから、ダブルインカムも可能だ。特に都会での満員電車での通勤にストレスを感じる人は多い。地方では職住接近が可能で、そのようなストレスは軽減できる。地域社会との交流もワークライフバランスを実現することにつながるし、人間らしい生活を感じることができる。一般的に年収は下がるだろうが、自分のスキルを必要とする組織があれば、そこでの仕事はやりがいのあるものになる。愛する家族と幸せに暮らすことができ、やりがいのある、また好きな仕事ができるのなら、地方で生活したいと思う人は意外に多いのではないか。ネット社会となり、テレワークも可能な時代となったことも地方暮らしを後押しするのではないだろうか。もちろん、地方だけの問題ではなく、都会の中でもエリアによって人気度の差は生じてゆく。そのエリアの独特の優位性を持たなければ人は減っていくことになる。





