物価上昇の折、家賃をどのようにスムーズに上げていくかは、オーナーにとっても不動産会社にとっても重要。各地の取り組みをレポートする。
更新時に交渉 合意件数は3倍に
2024年5月11日。今から1年半前、渡辺住研(埼玉県富士見市)のオーナーセミナーに講演講師として呼ばれ、私は驚いた。
なんとオーナーセミナーの壇上で、同社社長の渡邉毅人氏が、オーナーに対して、家賃の値上げに際して汗をかくという宣言を行ったのである。
「物価が上昇している世の中、更新時に何かプラスなことはできないかと考えると、賃料の値上げではないでしょうか。賃料の値上げはいつでもできることではありません。値上げは『今しかできない』。更新時に家賃など条件変更することは、オーナーの収支を改善するための一つの手段ではありますが、実際に変更するのは大変です。なぜなら入居者との合意形成が必要であり、合意に至った後には、家賃保証会社とのやりとりや書類の取り交わしが増加するため、現場としては正直やりたくない仕事です。それでも23年11月の更新から、賃料値上げの通知の仕事を新規で行いました。24年7月更新時には23年に比べて、家賃値上げ合意件数が約3倍。値上げ金額も4倍となりました」と、発表したのだ。
しかも「その通知のやりとりをしたのは、△△部の□□くん。彼は、さまざまな入居者からの文句も含めて、かつ非弁行為にならないよう配慮もして、これこれこうして今日の成果に至った」とエピソードも語ったのだ。当該社員はかなりの誉れであろう。





