半年目安に満室化
静岡県東部の地場ゼネコンの加和太建設(静岡県三島市)は、まちづくりの一環として賃貸管理に力を入れる。
管理戸数は約2200戸(10月末時点)。商圏は静岡県三島市を中心とした静岡県東部で、沼津市や御殿場市、伊豆市でも管理を行う。
賃貸管理事業は2013年から本格的に開始した。賃貸住宅の建築も請け負うが、管理物件のうち自社建築物件は1割程度。自主管理オーナーからの管理受託物件が約7割を占める。同社は地場密着型のゼネコンということもあり、オーナーとの接点も多い。そうしたオーナーからの紹介や、オーナー向けセミナーを通じて管理を増やしてきた。
特に、他社から築古で管理やリーシングが厳しいと断られた物件を引き受けることで、商圏でも後発企業ながら、管理を積み重ねている。そのため、管理物件は築30年以上のものが多い。
RC造や重量鉄骨造のマンションで3~4階建て、12~18戸規模がメイン。ファミリー向けが約6割、単身者向けが約4割だ。
自社での賃貸仲介はほとんど行っておらず、他社への依頼が中心で、入居率は90%超を維持している。
管理受託後は、リフォームを提案。仲介店舗に営業を行うほか、商圏の物件に対してポスティングを実施することもある。自社の工事現場の近くであれば、社内で入居者を募集するなど、さまざまな手法を用いて半年を目安に満室にしている。
まちづくり事業部プロパティマネジメント課の工藤由紀課長は「他社仲介がメインだからこそ、仲介会社からどうすればリーシングできるか遠慮ない意見を聞ける。そうした意見を材料にオーナーに費用対効果の高いリーシング対策を提案している」と話す。
エアコンやコンロなど交換が比較的安価に済む設備でありながら、オーナーが古さを気にせず交換していないため、リーシングの障害になることが多い。
学生向けの物件であれば、電気コンロやバランス釜など見たこともない設備は敬遠される傾向にある。こうしたものをIH(電磁誘導加熱)調理器に取り換えたり、給湯器に交換したりするだけで成約しやすくなる。エアコンも古びていると入居者から敬遠されるうえ、故障した際の不満も大きい。そこで設置後10年での交換を推奨している。
同社は23年からまちづくりに取り組んでおり、それを会社全体の方針としている。賃貸管理事業では商圏の空室を解消することが、まちの活性化につながるとみる。
「当社は新規事業者の出店支援に携わる機会も多く、事業用・居住用ともに今後も管理戸数を増やしていきたい。管理物件を通じて形成される、居住者をはじめとした地域の人々との多くのタッチポイントをいかし、このエリアで挑戦する事業者と、それを応援するまちの人々をつなぎ、地域全体の活性化と市場価値の向上にもつなげていきたい」と工藤課長はコメントした。
(2025年12月15日2面に掲載)




