Q.名刺を使って勧める人も勧誘者になる?
A.明示の委託がなくても実態次第で勧誘者にあたります
2025年度賃貸不動産経営管理士試験の問19は、賃貸住宅管理業法28条の「勧誘者」に関する問題でした。正答率は63・4%です。
サブリース規制では、サブリース事業者本人だけでなく、契約締結に向けた勧誘に関与する者にも規制が及ぶため、実務上も重要な論点です。
サブリース契約では、建設会社、不動産会社、金融機関など、複数の事業者がオーナーに対して建築、融資、管理、借り上げを一体的に提案することがあります。そこで、サブリース事業者本人だけを規制しても、実際に契約意欲を高める役割を担った者が規制の外に出てしまう恐れがあります。
契約メリット強調 勧誘にあたり得る
サブリースガイドライン上の勧誘者とは、サブリース事業者でマスターリース契約の締結について実際に勧誘を行う者です。ここでいう契約は、オーナーとサブリース事業者との間の特定賃貸借契約、つまりマスターリース契約です。入居者との転貸借契約の勧誘者まで含むわけではありません。
また、明示的に「勧誘を委託する」と契約書に書かれている場合だけが対象ではありません。サブリース事業者名の入った名刺の利用を認められている、営業資料を渡されている、実質的に契約締結に向けた説明をしているなどの事情があれば、客観的に勧誘者にあたる可能性があります。
勧誘とは、単に「契約してください」と直接勧める場合に限られません。特定のサブリース事業者との契約のメリットを強調し、オーナーの契約締結の意欲を高める行為も、契約意思の形成に影響を与えるものとして勧誘に含まれます。
例えば、「この会社なら長期一括借り上げで安心です」「空室リスクを心配しなくていいです」など、契約のメリットを強調してサブリース契約へ誘導する行為は、勧誘にあたり得
ます。一方、契約内容や条件に触れず、単に事業者を紹介するだけであれば、通常は勧誘にはあたりません。
誇大広告禁止違反 30万円以下の罰金
勧誘者にも適用されるのは、誇大広告などの禁止と不当な勧誘等の禁止です。家賃保証、将来の賃料減額、契約解除、修繕負担などについて、オーナーに誤解を与える表示や説明をすれば、サブリース事業者だけでなく勧誘者も問題となります。一方、契約締結前の契約内容の説明・書面交付義務は、サブリース事業者である特定転貸事業者に課される義務です。勧誘者にまで直接適用されるわけではありません。





