社名変更したアンビションDXホールディングス、不動産テック事業で売り上げ100億円目指す

アンビションDXホールディングス

その他|2021年10月23日

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アンビションDXホールディングス 東京都渋谷区 清水 剛 社長(50)

 1日に社名を変更し、新たなスタートを切ったアンビションDXホールディングス(以下、アンビション:東京都渋谷区)。賃貸管理・仲介とM&Aで伸ばしてきた同社は、不動産テックサービスの開発と販売を次なる成長ドライバーとする。清水剛社長は「売り上げ1000億円を目指す」とさらなる高みに向かう。

管理2万戸超え M&Aで会社成長

 同社は都内を中心とした賃貸住宅の管理や仲介を事業の柱とする。前期の売り上げは、2020年6月期比11.4%増の305億2900万円、営業利益は同6.1%増の9億7800万円。今期は0.2%増の306億500万円、営業利益は25.4%増の12億2600万円を計画する。

 東証マザーズに上場した14年の売り上げ52億9000万円から、約5.8倍に増えた。事業伸長の理由の一つは管理戸数の拡大だ。プロパティマネジメント事業の売り上げは155億1500万円に上り、全体の51%を占める。管理戸数は13年に5000戸ほどだったのが、21年6月末時点で2万1681戸と4倍超になった。

 都心部を中心とした高家賃帯のデザイナーズマンションの管理に強みを持ち、入居率は新型コロナウイルス下でリーシングが進まず低下したものの96.7%と安定している。「年間の増加分は約2000戸。そのうちグループ内での管理受託は300~400戸程度。多くは当社の管理やリーシング力などを評価してもらい、新規の受託につながっている」(清水社長)

 成長理由のもう一つは、M&Aだ。15年7月に横浜で賃貸仲介を行うVALOR(バロー:神奈川県横浜市)の事業を譲り受け、17年には投資用マンション開発を行うヴェリタス・インベストメント(以下、VI:東京都渋谷区)をグループ化。VIの当時の売り上げは87億7400万円と大型M&Aだったが、アンビションの既存の管理と仲介に開発が加わることによるシナジー効果を見込んだ。VIの前期売り上げはM&A前と比べ48.9%増の130億6800万円とグループの事業拡大をけん引する存在となっている。

RPAを業務に活用 入力業務月150時間減

 同社が次なる成長のために注力するのはDX(デジタルトランスフォーメーション)関連サービスの開発だ。

 清水社長は「不動産テック事業で50億~100億円の収入を上げられるようにし、長期ではグループ全体で売上1000億円を目指していきたい」と話す。そのために急ピッチで進めるのが不動産会社向けのDX関連サービスの開発だ。

 不動産テックサービスを担う子会社Re-Tech RaaS(リテックラース:同)はこれまでに、AIを使ったRPAサービスを開発。RPAがパソコン上の業務を人に代わって自動で行うというものだが、管理、仲介それぞれの業務で活躍する。

 例えば、家賃入金後のリストから情報を消し込む業務を自動化し、月間150時間の業務時間削減効果を上げた。そのほかにも、取引先の建物管理会社に対しては、専属担当者をつけて対応していたが、RPAが修繕履歴やレポーティングなどを自動で作成することになり、ヒューマンエラーをなくすことを実現。担当者を置かずともよくなった。

 他社向けにもパイロット版のサービスを提供。Re-Tech RaaSのサービスを利用する不動産会社は約300社で、首都圏を中心とした中小規模の不動産会社の利用が多い。業務に人手がかけられないというニーズを強く感じているという。

 業務の自動化サービスに、ITを活用した重要事項説明やオンライン契約も加え、不動産会社のニーズに合わせたDX支援サービスの提供を、宅地建物取引業法改正が実現する22年5月までに開始する予定だ。「スマートフォンの登場で生活はがらりと変わった。デジタルネーティブ世代の価値観に合わせたサービスの提供ができなければ会社の成長はない。不動産業界も過渡期に来ており、不動産会社は労働集約型のビジネスモデルから脱却する必要がある。経営者はテクノロジーに向き合い、スケールアップのため一定額の投資をする決断が求められていくだろう」(清水社長)

(10月18日36面に掲載)

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