都市ガス最大手の東京ガス(東京都港区)は、集合住宅向けEV(電気自動車)充電サービス「EVrest(イーブイレスト)」を提供している。
ランニングコスト不要
入居者は専用アプリでクレジットカード情報などの必要事項を入力し、会員登録を行うことで利用を開始できる。EV充電ケーブルを車両と充電器に挿し込み、充電器に貼付されたQRコードを専用アプリでスキャンすると充電が始まる。専用アプリでは、充電履歴や居住する建物以外にあるEVrestの公開充電スポットを確認可能だ。
入居者は利用頻度などに応じて五つの料金プランから選択。利用頻度が少ない入居者向けの「Basic(ベーシック)」プランでは、1キロワットアワー相当あたり55円が課金される。
充電料金の精算は東京ガスが行う。充電にかかった電気使用分に対して、積算単価に基づき試算した金額をオーナーに支払う仕組みだ。サービスの導入費用は設置場所や台数などに応じて異なるが、システム利用料など、オーナー側のランニングコストは発生しない。
同時に通電する電流値のコントロールを行う「デマンド制御」機能により、充電に充てる電気容量を必要最小限にすることができる。そのため、受変電設備の過度な増設や電気基本料金の増額を抑えられる。
神奈川県川崎市の賃貸マンションでは、EVの普及を見据え、駐車場の価値向上を図りたいというオーナーの意向で導入されている。
(2023年11月6日9面に掲載)