社会実験の検証検討会を実施
国土交通省は5日、「ITを活用した重要事項説明(以下、IT重説)に係る社会実験に関する検証検討会」の第4回検討会を開催した。IT重説に関しては、賃貸取引は2017年10月から本格運用を開始、法人間売買取引については17年8月から1年間の予定で社会実験を再実施中だ。
この日の検討会では賃貸取引における実施状況と、法人間売買取引の社会実験の途中経過が報告され、意見交換が行われた。次回の検討会は今年8月以降を予定している。
検討会ではまず、賃貸取引における本格運用後の4カ月間に届いた苦情・紛争件数に関する調査結果が報告された。調査はIT重説が解禁された17年10月1日から今年1月31日まで、国交省と都道府県、公益社団法人全国宅地建物取引業協会連合会、公益財団法人不動産流通推進センター、一般財団法人不動産適正取引推進機構を対象に聞き取りを行った。IT重説の実施に伴う苦情・紛争事例は0件だった。また、17年9月15日から今年1月31日までに全国11カ所の「IT重説相談窓口」に宅建業者などから寄せられた相談は計206件。内容はIT重説の仕組みと方法に関するものが大半だった。
全宅連の会員に対する調査によると、回答のあった238社のうち「導入済み」「導入を検討」「環境整備中」を含め、IT重説を前向きに捉えている会員は約4分の1の24.2%となった。「まだわからない」を含めると9割の会員が、IT重説に対して否定的ではないという結果になった。国交省では「賃貸の分野でIT重説が広く関心を集めている傾向の表れ」と分析している。