取り立ての社内規則の有無などが基準に
国土交通省は10月31日、住宅セーフティーネット強化の一環として、『家賃債務保証の情報提供に関する検討会』を開催した。
家主や入居者が、一定の基準を満たす適正な家賃債務保証会社の情報を得られるように、登録制度の創設を視野に入れている。
3月に閣議決定された住生活基本計画では、住宅の確保に配慮を要する低所得者や高齢者、障がい者、外国人、ひとり親世帯などが、安心して生活できる住宅を確保できる環境整備が盛り込まれた。
施策として、空き家や民間賃貸住宅を活用していく考えだ。
そのため、住宅確保要配慮者に住宅を貸す家主のリスクを緩和する家賃債務保証会社の利用増を見込む。
現状、家賃債務保証会社は事業を行うために、省庁への届け出や、自治体の許認可を得る必要はないため、一定の基準をもうけることで、業界の適正化を図る。
2011年に施行された賃貸住宅管理事業者登録制度と同様の仕組みになるのが濃厚だ。
検討会では家賃債務保証会社の現状が報告された。
国交省が把握できた会社は147社で、うち55社が公益財団法人日本賃貸住宅管理協会家賃債務保証事業者協議会や、一般社団法人賃貸保証機構などに加盟していた。
専業で家賃保証を行う企業だけでなく、兼業しているケースが3割あり、貸金会社が41.2%と多かった。
一方で家賃債務保証に関する入居者からの苦情や相談件数は高止まりしているという。
そういった状況を踏まえ、検討会では適正な事業者に求められる要件をまとめた。
契約の締結や家賃取り立てに関するマニュアルの制定、各種法令や社内規則を順守するための社員研修の実施、賃借人からの苦情を解決するための相談窓口の設置、財産的基礎などが必要だという。
国交省では次回12月5日に開催する第2回の検討会で、情報提供の方法や必要な制度について方向性を決める予定だ。
それまでに、家賃債務保証会社にヒアリングを行っていく。