仲介・管理会社ノート リフォーム編⑧

メイクホーム, コスモバンク, サンヨー建設企画

企業|2021年08月12日

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 管理会社にとって、入居率を高め長期入居をしてもらうためにはリフォーム提案が大切だ。オーナー提案での工夫も必要だが、入居者の属性によってリフォーム内容を変える必要がある。3社にリフォームの取り組みを取材した。

メイクホーム、工事部隊37人で即日施工

生活弱者の受け入れに迅速対応

 1都3県で1万6500戸を管理するメイクホーム(東京都足立区)は、スピーディーな原状回復工事が強みだ。工事は退去日に取り掛かり、翌日には完了する。入居者の9割を占める生活弱者の住まいを一日でも早く確保するために、37人のリフォーム部隊を発足させ、自社で工事を行う。

 グループ売上高は、32億円。事業別売り上げ構成比は、賃貸管理が40%、リフォームが25%、賃貸仲介が18%だ。

 年間の施工実績は、原状回復工事が240件、リフォーム・リノベーションが55件、設備交換が520件、大規模修繕が38件だ。同社では、オーナーから管理を受託する際にリフォームを行い、2DKから1LDKへの間取り変更などを済ませておく。管理受託する期間中は、時間と費用の掛からない原状回復工事のみで入居者の入れ替えに対応する。

 原状回復工事は、1件あたり5万円程度で、壁紙の一部貼り替え、パッキンの交換、水回りのクリーニングといった、必要最低限に済ませる。管理担当とリフォーム部隊が連携し、退去日のすり合わせを事前に行うことで、退去立ち合い後に工事にすぐ着手でき、翌日には施工を完了させている。石原幸一社長は「区役所の福祉課から当社を紹介されて来店した生活弱者を、一日でも早く受け入れるようにしている」と語る。

 管理物件の入居者は、85%が生活保護を受給している。都内23区の場合、単身で5万3700円、2人で6万4000円、3~5人で6万9800円を上限に家賃扶助を自治体から受給し、入居者は生活している。内装へのこだわりよりも、住まいの確保を優先すべき層のため、工事をできるだけ早く済ませる点に重きを置いている。

メイクホーム 石原幸一社長の写真

メイクホーム
東京都足立区
石原幸一社長(55)

 

 

コスモバンク、原状回復工事が倍増の200件

管理物件の増加で受注獲得

 管理戸数4000戸のコスモバンク(神奈川県横浜市)は、自社保有の物件取得による管理物件の増加で、原状回復や設備交換が大幅に増加した。

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 売上高は23億円で、中古物件の買い取り再販事業が80%、リフォームが10%、自社物件の家賃収入が10%。

 リフォームに関する社内の体制は、工事の検査や工程管理を行う専任者が2人、賃貸管理と売買仲介との兼任の2人。工事部は抱えず、提携する施工事業者に工事を発注する。内装だけでなく、外壁塗装や排水管、足場作りなどの大規模修繕を含めて自社で施工管理を行う。約100人の職人と取り引きしている。

 原状回復や設備交換工事は、自社物件や顧客に売却した管理物件を中心に実施。管理物件が前期に比べて1000戸増加したことが主因で、原状回復工事は年間200件で、前期から2倍に増加した。設備交換工事の件数も300件で、66%増加した。

 自社物件の取得では、1都3県と茨城、群馬で築30年以上の1棟マンションとアパートを中心に実施し、20年は48棟購入した。購入後に外壁塗装や配管を含めた大規模修繕を実施し、エリアで競争力のある家賃水準で貸し出し、長期的な収益の最大化を目指す。

 穴澤勇人社長は「必要最低限な設備を備え、清潔感のあるリフォームを心掛けている。長期間入居してもらうために、家賃は高く設定せず長期的な収支を重視している」と話す。

 

サンヨー建設企画、建築会社との連携が強み

グループで改修に対応

 埼玉県川口市を中心に1800戸管理するサンヨー建設企画(埼玉県川口市)は、グループ会社である誠和建設(同)との連携を強みに、リフォームや大規模修繕の受注を行い、グループで売り上げを伸ばしている。

 同社の売り上げは年間1億3000万円ほど。事業別構成比では、賃貸管理が70%と主軸で、土地売買が20%、その他事業が10%となっている。同社の社員は25人おり、そのうち管理部の担当は11人。

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 同社は東川口店を本社とし、南流山に支店がある。グループ会社である誠和建設の建築した賃貸住宅の管理を行っており、リフォームや大規模修繕もおおむね誠和建設が施行する。

 管理物件の原状回復工事は年間200~300件。設備交換は20件、リフォーム・リノベーション工事は10件、大規模改修は2~3件。

 オーナーへの工事提案は同社の賃貸担当者が行い、間取り変更などの大きな工事の場合は誠和建設の営業部が提案も直接行う。基本的に工事は管理会社のほうで受注し、元請けとして実際の工事は誠和建設が行う。

 同社は入居率95%以上を維持しており、入居者の要望を内見した際などにヒアリングし、その内容をバリューアップの工事にも生かす。 小林一代社長は、「必要とされる設備がそろっている物件であれば入居後も長く住んでもらえる。とはいえオーナーへのバリューアップ提案は難しい。経費関係の説明をきちんと行うことで地道に提案を勧めていきたい。また、ワークオフィス事業など新たなビジネスモデルも考えていきたい」と語った。

サンヨー建設企画 小林一代社長の写真

サンヨー建設企画
埼玉県川口市
小林一代社長(69)

 

 

※本紙面において、管理会社とオーナーが工事契約を結ぶ場合は「元請け」、管理会社以外の工事会社とオーナーが工事契約を結ぶ場合は「あっせん」と記載しています。

(8月9日7面に掲載)

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