REAN JAPAN、人がやるべき仕事の仕分け 業界として見極める
Real Estate Agent Network Japan(リーンジャパン), ハウスコム, S-FIT(エスフィット), 誠不動産
その他|2021年09月10日
不動産賃貸仲介業界研究会、Real Estate Agent Network Japan(以下、REAN JAPAN:リーンジャパン)の発起人であるハウスコム(東京都港区)の田村穂社長、S-FIT(エスフィット:同)の紫原友規社長、誠不動産(東京都渋谷区)の鈴木誠社長の3人に話を聞いた(第2回)
―なぜ研究会が必要と思ったか?
紫原:賃貸仲介に限らず、人の価値、人がするべき仕事は何かという命題は、現代のあらゆる企業に降りかかるもの。1社で考えるより、何社かで話していくほうが面白い。業界各社はさまざまな考えと工夫を持っており、共有して違いを認識することは有意義だ。ちょうど発信の場を設けたいと思っていた。
―テクノロジー化により、今後仲介という仕事がなくなるかもしれないという話がある。これに対してどう考えるか。賃貸仲介に従事する人の価値はどこに生まれると思うか。
紫原:人の価値も常に変革していく。今日の価値と来年の価値は違うものになるだろう。煩雑な業務がテクノロジー化されているが、この先人の業務か、テクノロジーに代替できるか見ておく必要がある。DX(デジタルトランスフォーメーション)への取り組みも各社で違う。さまざまな企業を訪問して業務のどの段階までDX化しているのかを知りたい。2021年の段階においては、人の価値はインターネット上の膨大な物件情報を顧客のニーズに合わせて取捨選択する手伝いができることにある。専門家の話が加わることで、入居後より快適に暮らせる。
田村:賃貸仲介業の定義が10年前と変わっている。部屋を探す体験が大切になっている。悪い体験は建物の価値も下げる。部屋探しを娯楽として楽しんでもらうことが大切だ。部屋紹介の代理業という認識にとどまらず、時代に合わせて顧客の求めているものを仲介していく。
その前提においてDXをどう使うかも考える。多くの企業が膨大なデータを持ちながら、点在しているのが現状。DX化を行いデータを共有することで顧客のための新しいサービスをつくることができるはず。
―(鈴木社長にとって)自分の業務の1番の価値は?
鈴木:住んだあと楽しく幸せになっていただくことがテーマ。入居後にも責任を持つ。仕事、部屋探し、私生活、人生。全部思い出づくりだと思っている。部屋探しが楽しかったという気持ちを持ってもらえたらうれしい。
―鈴木社長のような仕事の進め方は自社社員にもやらせたい?
田村:やらせたい。自社社員にも、入居後の価値を高めていくことが大切だと伝えている。それが賃貸仲介業が生き残る道。
ハウスコム
東京都港区
田村穂社長
S-FIT
東京都港区
紫原友規社長
誠不動産
東京都渋谷区
鈴木誠社長
(9月6日23面に掲載)