アンビジョンDXホールディングス(東京都渋谷区)で、2020年に最優秀売り上げを達成した平塚怜取締役の武器は、成約客からの紹介による新規顧客の獲得だ。その営業手法を聞いた。
LINEでアフターフォロー
―紹介顧客はどれくらいいるのですか?
私の場合、全体の仲介件数のうち5割強を紹介から仲介をしていました。私に限らず、当社の上位営業担当者は月平均10~15件、年間200件以上の紹介顧客による案件を持っています。繁忙期であれば、月40件以上を紹介からで成約に至る担当者もいます。上位でなくても月5~7件程度を紹介から獲得する担当者は多いです。もちろん、紹介がまったくないというケースもあります。
―御社は紹介営業に力を入れているのですね。
来店していただくまでのコスト、特に、広告費がかからないため、紹介による顧客獲得に注力しています。新規顧客のうち来店者と紹介による顧客はおおよそ半々です。ポータルサイトに依存した集客から脱却を目指しており、紹介件数を増やすために営業担当者の個人の力を強めるようにしています。
―どうやって紹介顧客を増やすのですか?
顧客に会社ではなく、個人として認識してもらい、ファンになってもらうことが大切です。「LINE」や「LINEWORKS(ラインワークス)」などのチャットツールで関係性を深め、物件の引き渡し後も連絡を取るようにしています。
―契約が成立してからも関係を保つようにするということですね。
鍵を渡した後もアフターフォローを積極的に行うことが大切です。管理会社への連絡や各社の連絡先の案内が主ですが、何か困ったときに頼れる存在になれるかが重要だと思います。半年後など定期的にセカンドアプローチを忘れないようにしています。また、社内で表彰されたときなどは、LINEのタイムラインに「皆さまのおかげです」ときちんと報告やお礼を伝えたりして、思い出してもらう機会をつくるようにしています。
―投稿に拒否反応などはないのですか?
ご来店時に、お客さまに気持ちのいいコミュニケーション・接客を行えていることが大前提です。当たり前のことですが、来店時、契約時にそうした関係性を築けていなければ紹介はしてもらえません。私の場合、自分の家族や親友のために部屋を探すのと同じくらい親身になって接客するようにしています。そのときは、会社としての売り上げなどはあまり意識しないようにしています。そうした対応がやがて紹介など何かしらの形になって返ってくるのだと思います。それが結果的には会社のためにもなるということです。
―LINEでやりとりするのを嫌がる人はいないのでしょうか?
5年ほど前からLINEでのやりとりが急激に増えました。お客さま側の抵抗感も減ったのだと思います。最近は会社として管理しやすいLINE WORKSでやり取りすることが多いです。お客さま側からは個人アカウントにしか見えないし、プライベートアカウントとは別に個人アカウントを持てるようなもので、担当も顧客管理がしやすくなっています。
―紹介による顧客の成約率はどの程度ですか?
物理的に希望条件に沿う物件がない場合以外は、ほぼ成約します。だからこそ、紹介による顧客を増やしていくことが大切なのです。新型コロナウイルスが収束した後もオンライン接客は増えていくと思うので、紹介というつながりがより重要になっていくのではないかと思います。
アンビジョン・エージェンシー
東京都渋谷区
平塚怜取締役(35)
2010年AMBITION新卒入社
2014年・2019年年間最優秀賞(MVP)
2020年最優秀売り上げ賞受賞
2021年アンビション・エージェンシー取締役兼部長就任
(2022年2月28日15面に掲載)