賃貸仲介・管理を手がけるハウスメイトパートナーズ(東京都豊島区)がサンリオ(東京都品川区)と提携し、東京都町田市に建築したコンセプト型賃貸住宅「My Melody Town Machida(マイメロディタウンマチダ)Ⅰ~Ⅴ」が、1月に満室を達成した。
唯一無二のコンセプトで差別化
両社が共同で企画する「マイメロディ ハウスプロジェクト」の第1弾として2021年10月に竣工。小田急電鉄小田急線鶴川駅からバスで5分の立地で、サンリオの人気キャラクター「マイメロディ」をデザインに取り入れた平屋戸建ての賃貸住宅5棟からなる。
間取りは2LDK。居室、トイレ、廊下、キッチンなどの内装を、淡いピンクを基調とした柔らかみある色で統一した。各所にサンリオのキャラクターデザイナーが同プロジェクト限定で考案したデザインクロスをあしらった。
外構にはマイメロディのモニュメントを設置。郵便ポストにも、棟ごとに異なるデザインを施している。5棟のうち3棟に庭、2棟にウッドデッキを設け、駐車場1台分は無料で利用できる。 専有面積は52.17㎡で、ファミリー・DINKSのほか、ルームシェアでの利用も想定。ペットの飼育も可能とし、室内にキャットウオークを付けるなどして多様なニーズに応えた。
賃料は、周辺の新築物件の相場が10万円台のところ、11万9000~12万6000円と若干高めに設定。竣工前の21年8月14日に入居者募集を開始したところ、キャラクターのファン層を中心に問い合わせが相次ぎ、今回の満室達成となった。
集客に寄与したのがウェブを効果的に使ったプロモーションだ。物件の完成前から、同プロジェクト専用ウェブサイトでデザインコンセプト、建築の様子、空き室状況などを告知。加えてハウスメイトパートナーズが入居者向けに提供するアプリ「お部屋+(プラス)」や、サンリオが運営するSNSで情報提供を行い、一般の転居希望者のほかキャラクターのファン層への着実な認知につなげた。
企画を担当したグループ経営本部マーケティング部の武田和長クリエイティブ課長は「ファンにとって唯一無二の物件。大きな差別化ができた」と話す。
今秋には東京都三鷹市井の頭に、1K単身向けアパートタイプの「(仮称)My MelodyHouse Inokashira(マイメロディハウスイノカシラ)」の竣工を予定している。首都圏や関西圏など、全国に10棟、1棟20戸を目安に物件を展開していく方針だ。
(2022年5月2日・9日9面に掲載)