東洋エステートサービスに聞く。定期報告で受注増

トレンドゲストレポート

管理・仲介業|2023年03月02日

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 「賃貸住宅の管理業の適正化に関する法律(以下、管理業法)」の施行で、管理会社の必須業務となった「家主に対する定期報告」を積極的に行っている東洋エステートサービス(東京都調布市)。管理業法が施行される以前と以降で、定期報告書の内容に、大きな変化はなかったとのこと。定期報告を通じて会社の利益を上げていくことができるのか聞く。

大規模修繕提案が好調

―家主向け管理メニューの種類について。

 一般管理契約と、プラス契約として建物維持管理契約がある。一般管理契約では、入居者募集、管理、退去、家賃回収、一次クレーム受付が基本メニューとなっている。建物維持管理契約は、これらに巡回点検・清掃・法定点検などを加えたものだ。

―建物維持管理契約の加入率は。

 現在契約しているオーナー数は約500人だ。うち7割が、建物維持管理契約まで結んでいる。7割のオーナーには、通常の定期報告だけでなく、建物維持管理報告も行う。オーナー毎の契約にもよるが、建物維持管理の巡回報告は少なくとも半年に1回多いときは2カ月に1回、最低でも行っている。内容は屋上や外壁の点検など建物メンテナンスに関わる巡回報告だ。

―定期報告業務は誰が行うのか。

 主となる従業員は2人。営業部や修繕部なども携わるが、報告書の取りまとめは1件ごとに担当が行う。各部署からの報告を取りまとめて書面を作成する業務は、業務量として多いとは思う。しかし、オーナー向けにしっかり情報を発信するために重要な業務と認識している。また、部署を超えて報告書を取りまとめるため、部署を超えた社内コミュニケーションへつながるのもメリットだ。

―定期報告は会社の収益につながるか。

 報告をこまめに行うことでオーナー満足度につながると考える。それにより、管理契約の継続や、報告から上がってくる修繕依頼による収益も一定数ある。結果的に収益につながっているという見方ができる。

―建物メンテナンスによる売上比率は。

 全体の15%だ。これは、大規模修繕も含む。原状回復工事や備品交換は含まない。物件の価値向上を狙った修繕へ本格的に取り組み始めたのが4年前だ。2021年より、スタッフを増員し、専門部署を立ち上げた。オーナーへの定期報告をきっかけとして、建物修繕提案を積極的に行う。オーナー自ら、修繕に積極的なケースは少ない。管理会社からの提案で前向きになることが多い。

―大規模修繕の提案を強化するには、定期報告は重要か。

 重要である。毎月の定期報告を通じて信頼を獲得することで、大きな金額が伴う大規模修繕の提案も聞いてもらうことが可能だ。こまめな建物巡回報告で、会社全体で物件を見守っていることを知ってもらえると考える。

東洋エステートサービス 横井 一隆取締役の写真東洋エステートサービス
東京都調布市
横井 一隆取締役

 

 

東洋エステートサービス 吉田さら紗さんの写真東洋エステートサービス
東京都調布市
吉田さら紗さん

 

(2023年2月27日22面に掲載)

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