公益財団法人日本賃貸住宅管理協会(以下、日管協:東京都千代田区)が、賃貸住宅メンテナンス主任者という資格制度を始める。なぜ賃貸住宅管理業界は、建物・設備のメンテナンスに力を注ぐのか。資格制度の先にどんな未来を描いているのか。制度化を推進した塩見紀昭会長に話を聞いた。
建物管理のプロを養成する資格
―日管協が、今、このタイミングで、賃貸住宅メンテナンス主任者を資格制度化したのはなぜか。
日管協の会長2期目を引き受けた時の所信表明で、賃貸住宅メンテナンス主任者の資格、研修制度を作ることを最優先課題とすると話した。前提にあるのは、2021年に賃貸住宅管理業法が施行されたことだ。法律が作られるにあたり、国土交通省は「賃貸管理業とは何か」について定義付けた。その中で、賃貸住宅の維持、保全を行う業務が賃貸管理業であることが明記された。しかし、賃貸管理業界の実態としてハード面の知識を付けるための環境は十分ではない。さまざまな書物を探したが、賃貸住宅のメンテナンスに関するものは見つからなかった。そこで、資格研写真度の創設が必要だと考えた。
―賃貸住宅に関わる建物の事故もあった。