Q.屋上の省エネルギー装置は高さ制限で置けない?
A.2023年4月1日施行の法改正で可能に
採光面積の割合 床面積の1/10以上
「脱炭素社会の実現に資するための建築物のエネルギー消費性能の向上に関する法律等の一部を改正する法律」が2022年6月17日に公布され、建築基準法の一部が23年4月1日に施行されました。
改正前の建築基準法では、窓などの開口部で採光に有効な部分の面積は、その居室の床面積に対して、住宅にあっては7分の1以上、そのほかの学校などの建築物にあっては5分の1から10分の1において政令で定める割合以上にしなければなりませんでした。
しかし、新型コロナウイルス下における業務形態の変化などにより、採光規定が適用されない用途(事務所、ホテルなど)から住宅に用途変更するニーズがある一方で、必要な採光面積を確保するための工事が負担となり、断念するケースが発生していました。
そこで、住宅の場合の割合を、原則7分の1以上としつつ、その床面において50ルクス以上の照度を確保できれば、10分の1以上まで必要な開口部の大きさを緩和することが可能となりました。
倉庫や工場のひさし 容積率などが緩和
改正前の建築基準法では、外壁の断熱改修や日射遮蔽(しゃへい)のためのひさしの設置を行う場合、建築物の床面積や建築面積が増加することにより、容積率や建ぺい率の制限に抵触し、改修が困難となる場合がありました。
そこで、屋外に面する部分の工事により、容積率や建ぺい率制限を超えることが構造上やむを得ない建築物に対する特例許可制度が創設され、日射遮蔽により、省エネルギー効果を高めるためにひさしが大きく張り出した場合、ひさしの先端から1m以内は、建築面積に算入しなくてもよくなったのです。