ターゲット見据え差別化
新築時に物件の外観や内装にこだわるオーナーは少なくない。こだわりを詰め込むと、そこには唯一無二の価値が生まれる。特徴的な外観や機能性のある内装、設備を採用し、新築と同時にすぐに満室になった二つの物件を紹介する。
裏路地の小商い可能物件
募集前に全室入居決定
西武鉄道池袋線の所沢駅から徒歩3分の場所に建つ、木造3階建てアパート「CONOJI(コノジ)」。2023年1月に竣工した同物件は、1階が2店舗、2・3階が小商い可能な1LDK4戸で構成されている。
設計を担当したのは、ビーフンデザイン一級建築士事務所(東京都渋谷区)の社長である進藤強氏と、プラグ建築研究所一級建築士事務所(同)の代表を務める千葉健史氏。商店街から1本裏に入った道にあるにもかかわらず、建設中から入居に関する問い合わせが多く入り、募集開始前に全室埋まった。
変形地生かす外観
この土地は台形の変形地で広さは33坪。土地の形を最大限に生かした面白い建物を建てたいと思ったオーナーが相談したのが、進藤氏だった。
進藤氏によれば、全室を小商い可能とした理由は二つ。一つ目は賃貸経営の継続性を考えたためだ。「入居者は小規模な事業をスタートできるため、周辺の物件と差別化できる」と話す進藤氏。