6月28日、賃貸住宅退去時の原状回復に関するガイドラインの改定案の詳細が明らかになった。大きな変更点は減価償却を奨励していることだ。これまでは6年後の残存価値10%を下限としてきたが、10%を1円に変更した。
「残存価値1円となれば、クロスに落書きをするなどモラルハザードが発生する恐れがあります」
財団法人日本賃貸住宅管理協会で原状回復など賃貸管理研究を担当する丸一土地建物(千葉県千葉市)の関輝夫社長は改訂版の懸念事項を指摘する。
改定案では、故意・過失などによる「通常の使用に生ずる損耗とはいえない」場合は、「賃借人が負担すべき費用の検討が必要になる」としている。
また、これまでは耐用年数6年、8年で統一していたが、部位・設備別に細かく設定した。
契約書に添付する修繕費の目安などを明記した書類様式も追加。契約時に家主と借り主で原状回復の条件を合意しておくことを重要視した。
改定案についてはパブリックコメントを7月15日まで受け付ける。8月上旬ごろに改定版が決定する予定。