不動産を中心に投資や保有を行うTRIAD(トライアド:東京都港区)は、東京都渋谷区内の不動産の取得にあたって、不動産クラウドファンディング(以下、クラファン)を活用し、投資家から36億円の資金調達を行った。運用開始前の案内組成時に自己信託の仕組みを使う。
土地の再利用を促進
取得予定の不動産は、病院跡地の土地の所有権と、一体開発された借地権付き区分マンションの底地権。
同社は権利関係を調整したのち、デベロッパーに売却する計画だ。配当・償還は2023年7月5日を予定している。
資金調達にあたっては、LAETOLI(ラエトリ:東京都港区)が運営するクラファンサイト「COZUCHI(コヅチ)」を通じて出資を募った。投資家への予定分配利回りは10%。
今回のプロジェクトでは自己信託を活用する。自己信託とは、委託者と受託者が同一である信託。自己信託により、取得予定の不動産は、不動産登記簿上で信託登記され、信託財産となる。
信託財産はTRIADの固有財産とは分けての管理・保管となるため、万が一、TRIADが倒産した場合でも倒産手続きに組み込まれない。
同社統括チームの髙橋美樹氏は「老朽化に伴う建て替え問題をはじめ、密集地の防災問題や再開発による都市の空洞化など、さまざまな問題に取り組み、課題を発見し、新しい解決策を提示していきたい」と話す。
(2022年5月23日2面に掲載)