企業研究vol.010 大谷 義武 社長

武蔵コーポレーション

インタビュー|2019年04月19日

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収益不動産の買い取り再販を強みに1万4000戸管理

大谷 義武 社長( 43 )

 収益不動産販売会社として創業し、北関東を中心に実績を積んできた武蔵コーポレーション(東京都千代田区)。近年は販売も再販に注力し、管理戸数も1万4000戸まで拡大してきた。前期の年商は110億円、経常利益は11億円の企業に成長した。昨年から本社を創業の地、埼玉・大宮から、東京駅近くのパシフィックセンチュリープレイス丸の内に移転。740坪ほどを借りている。躍進を続ける同社の強みについて大谷義武社長に話を聞いた。

大規模修繕受注に注力 新規管理受託に奏功

――スルガ問題以来、かなり収益不動産への融資が厳しくなりました。
大谷 2018年の夏ごろから融資は厳しくなっていますね。特にサラリーマンに対しては厳しくなっています。新規の管理受託も売却した物件1に対して管理単体の物件3または4という割合です。

――収益不動産の買い取り再販が柱の御社にとっては逆風の状況ということですね。
大谷 もちろん、販売の方は以前と比べたら厳しくはなってきていますが、管理も順調に増えていることは大きな支えとなっています。管理戸数は3月末で1万4000戸ほど。8月の決算期までには1万5000戸に増える見込みです。

――なぜ、今管理戸数が拡大しているのでしょうか。
大谷 自社のホームページ経由からの問い合わせと金融機関からの紹介が多いです。特に金融機関は空室で困っているオーナーを紹介してくださるので管理受託し、リノベーションを提案、工事受注という流れで受けるケースが増えています。

――御社は建設業の免許も持っているんですね。
大谷 はい、建築部には約20人のスタッフがおり、そのうち一級建築士が7人、一級施工管理技士が8人います。主に外壁・防水などの大規模修繕を受注しています。年間約3200件の工事実績があります。

――工事もできるのは強みですね。
大谷 今はグループ会社の管理会社内に建築部があり、管理受託した物件の工事を主としてきました。今後は別会社化して、管理受託の有無にかかわらず工事の提案はしていきたいと考えています。他には類を見ない収益不動産専門の建築会社として展開していく予定です。そうすることで、今度はリノベーションをきっかけに管理受託につなげられるようにしていきたいです。

――業績も好調です。
大谷 前期は年商110億円、経常利益11億円で、前々期年商90億円、経常利益9億円から伸ばすことができました。今期は年商120億円、経常利益12億円を目指しています。

――ところで、今年は新卒社員は何人採用したのでしょうか。
大谷 22人です。7〜8割くらいが国公立大卒業です。

――どのように採用活動しているのでしょうか。
大谷 3年前から採用担当の専任を5人としています。

――専任で5人もですか。
大谷 良い人材を採用することは会社にとって大切なことです。私自身が東大出身で三井不動産を経て独立したということも共感してもらえる部分です。大阪や福岡に採用拠点を設けている点も奏功しています。おかげさまで新卒採用の割合は75%を占め、弊社の平均年齢は25歳です。

――今後はどのような展開を考えていますか。
大谷 収益用不動産の販売を始めるときに新築はやらないと決めていました。中古の1棟マンションかアパートの買い取り再販でシェアを取っていきたいと考えています。

――収益不動産の売買は増えますか。
大谷 今後、毎年亡くなる方は増えます。相続税課税対象者は8%いる中で、相続が発生すれば不動産の売却は増えるでしょう。それに伴い、中古の収益不動産の流通数は増加します。圧倒的なシェアを持っていれば、全国展開もできます。全国展開できれば銀行のルートも拡大でき、オーナーの紹介も増えるという流れができると思っています。

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▲誕生会でBOOWYのパロディーの余興を 行ったメンバーとの記念写真

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