家賃債務保証会社の中でも、手堅い財務基盤を抱えるイントラスト(東京都千代田区)。有利子負債はゼロ。自己資本比率は70%を超える。業績も順調に推移しており、前期は売上高31億円、営業利益は8億円と過去最高を更新。賃貸管理会社のニーズに合わせた家賃債務保証サービスで着実にストックを増やし、同時に賃貸業界で得た保証ノウハウを他業界で横展開する経営姿勢が、同社を成長軌道にのせている。桑原豊社長に詳細を聞いた。
家賃保証ノウハウを他業界へ横展開
――御社は保証事業とソリューション事業の2本のビジネスで成り立っています。
まず、保証事業ですが、オーダーメード型の家賃債務保証商品のほか、その業務経験で得た「保証」のノウハウを医療・介護・養育費といった別の市場へ横展開し、拡大しています。当社にとって家賃債務保証サービスは「ワンオブゼム」の商品。家賃債務保証会社といわれることが多いのですが、あくまで当社は「総合保証サービス会社」と申し上げています。
――もうひとつの「ソリューション事業」は、他の家賃債務保証会社にはない独自のサービスです。
これはほとんど家賃債務保証の変型版です。審査・回収業務、SMS一括送信業務といった「家賃債務保証事業に付随した、代位弁済リスクをとらない役務」を管理会社に提供しています。
――ここ数年、ソリューション事業の実績が積み上がっており、同部門の前期売上高は約16億円。保証事業の約15億円を上回っています。
多くの引き合いをいただいています。もともとは10年以上前に、ある大手管理会社と「連帯保証人不要プラン」をつくり、当社が代位弁済リスクのない家賃回収・審査業務などの付随業務をはじめたことが、ソリューション事業の根幹を成し遂げました。そこから派生した仕組みがいくつもあり、例えば『保険デスク』という保険の加入・更新サポート業務はそのひとつです。(下の記事「火災保険の加入・更新サポート業務も展開」に詳細)
――両事業あわせて、管理会社の提携先は何社ありますか。
提携社数でいうと、地場の管理会社を含め全部で300社ほどですが、管理戸数1万戸以上の大手管理会社がほとんどです。