約1300戸を管理するVivit Base(山梨県甲府市)は、リーシング力を強みに1年間で管理戸数を倍に増やした。賃貸仲介事業が主軸の創業し5期目を迎えたばかりの若い企業だ。「来店からの成約率を現在の80%から90%に向上させ、さらなる管理獲得と入居率向上に努めたい」と話す同社の武原麻耶社長に今後の展望を聞いた。
約1300戸を管理5割は県外の投資家
亀岡 ずいぶんとお若いですね。創業して何年たちますか。
武原 今年で5期目になります。賃貸仲介事業が主力で、甲府市内に事務所兼店舗を構えています。年間の仲介成約数は約800件、管理は1267戸です。成約件数は一定の水準で推移してますが、管理戸数は1年間で倍に増えました。
亀岡 1年間で700戸近くもどうやって増やしたのですか。
武原 最初は不動産登記をあげてオーナーを一軒一軒訪問し、営業をしていました。郊外のオーナーは賃貸経営に関心がなく、空室があっても困っていない人も多いので、なかなか管理受託にはつながりませんでした。しかし、仲介力には自信がありましたので、成約を機に管理を任されるようになりました。最近はオーナーや売買仲介会社からの紹介が多いですね。
亀岡 売買仲介会社からの紹介ということは、オーナーチェンジをきっかけに管理を受託するわけでね。
武原 そうです。首都圏では収益不動産の価格が高騰しているため、県外の投資家が山梨県の投資用不動産を買いに来ています。空室が目立つ物件を買う投資家が多く、売買仲介会社から紹介されたと当社を訪ねてこられます。そのため、当社に管理を委託しているオーナーさんの約半数は県外の投資家なのです。
亀岡 それは珍しいですね。しかし1店舗のみで年間800件を成約するのですか。
武原 当社は1店舗しかありませんが、創業した年から4年連続で、山梨県内で大東建託管理物件の賃貸仲介成約数1位を受賞しています。特に来店からの成約率にこだわっています。現在賃貸営業の専門スタッフは4人で、当社に来店した客の80%が成約しますので、これを90%に伸ばしたいのです。

Vivit Base
武原 麻耶 社長
1983生まれ、山梨県甲府市出身。地元の不動産会社に2年、デザイナーズ賃貸マンションの企画から管理まで一貫して行う会社に7年務めた後、2013年Vivit Baseを創業した。仲介事業では4年連続で、山梨県内の大東建託物件の成約数1位を受賞している。シングルマザーで中学生の娘を持つ。
- Vivit Base
- 本社所在地 : 山梨県甲府市古上条町416-1
- 設立 : 2013年9月20日 社員数 : 10人人
- 事業内容 : 賃貸・売買仲介、賃貸管理、リフォーム・リノベーション

経済評論家 亀岡 大郎 氏
大正15年京城生まれ。新大阪新聞経済部長を経て、経済評論家となる。文藝春秋、サンデー毎日など一流紙で、経済・財界問題を中心に、精力的な活動を続ける一方で「自動車戦争」「ゲリラ商法」「IBMの人事管理」などベストセラー多数。