日本リビング保証(東京都渋谷区)は、ハウスメーカー向けの住宅設備保証、仲介会社向けの中古住宅保証で顧客を増やし、急成長を遂げてきた。賃貸住宅の入居前点検や収益不動産のインスぺクション・保証も提供するなど賃貸業界向けのサービスも開発。今後、家主や入居者へのサービス企画に力を入れていく。
創業10年目となった今年3月には東証マザーズに上場。歩みを止めない安達慶高社長に、同社の事業や今後の展開について聞いた。
設立10年でマザーズ上場建設会社向け保証から開始
亀岡 最近上場したそうですね。
安達 創業10年目で3月に東証マザーズに上場しました。
亀岡 上場する際に重要なことは、株主に著名人をたくさん入れておくことです。そうすることで、一般の投資家も「この人が株主なら」と興味を示します。ヤクルトの社長を務めた松園尚巳氏は、上場前に知り合いの経営者に株を買ってくれるよう頼んで回っていました。私もその時にヤクルトの株を買ったうちの1人です。当時は1株数十円だったのが、今では8000円以上にまで上がっています。
安達 そういう手もあるのですね。当社は住宅設備の保証を行っていることで、取引先の三井不動産レジデンシャルや、保険会社のあいおいニッセイ同和損害保険といった大手が出資しています。
亀岡 具体的にどのような事業を行われているのですか。
安達 主力商品は2つです。1つは、ハウスメーカーや工務店向けに、新築住宅の住宅設備の延長保証サービスを提供する『住設あんしんサポート』です。創業後すぐに開発し、ハウスメーカーを中心に利用が増えました。もう1つは、2012年から始めた売買仲介会社向けの『売買あんしんサポート』です。こちらは中古不動産の売買仲介を行う会社に対して、売却物件の建物と住宅設備のインスペクションを行い、希望がある場合には引き渡し後2年間の保証を付けられる設定にしています。

日本リビング保証
安達 慶高 社長
1972年8月8日、神奈川県海老名市生まれ。東京工業大学工学部卒業後、95年4月に三和銀行(現:三菱UFJ銀行)に入行。 外資系保険ブローカーのマーシュジャパンを経て06年8月に独立し日本震災パートナーズ(現:SBIリスタ少額短期保険)を共同設立。 その後、09年3月に日本リビング保証を起業。13年9月に代表取締役就任。
- 日本リビング保証
- 本社所在地 : 東京都渋谷区代々木3-28-6 いちご西参道ビル5・6階
- 設立 : 2009年3月 社員数 : 約80人 資本金 : 3億8057万2800円
- 事業内容 : おうちのトータルメンテナンス事業、ビジネス・プロセス・アウトソーシング事業

経済評論家 亀岡 大郎 氏
大正15年京城生まれ。新大阪新聞経済部長を経て、経済評論家となる。文藝春秋、サンデー毎日など一流紙で、経済・財界問題を中心に、精力的な活動を続ける一方で「自動車戦争」「ゲリラ商法」「IBMの人事管理」などベストセラー多数。