物件調査と修繕工事の完了を求める
レオパレス21(東京都中野区)が建てたアパートに建築基準法違反の疑いが出ている問題で、レオパレス21のアパートオーナーで構成する「被害者の会」は7月24日、同社が公表したシリーズ以外の物件にも違法建築が新たに見つかったと発表した。
具体的に明らかになったことは、屋根、防火戸や外壁部分の防火部材や近隣の建物への延焼を防止する防火仕様工事が、未施工だったことだ。
仮に、この状況を放置していれば、近隣の家屋の出火による延焼だけでなく、レオパレス21のアパート内で火災が発生した場合についても、火の手が一気に回る危険性が生じる。「被害者の会」は、同社に対し、9月30日までに物件調査を完了すること、11月30日までに修繕工事を完了するよう、7月23日に通知した。
同社は5月、1996~2009年に建てたアパート計206棟で、「界壁」と呼ばれる防火性を高める部材が天井裏に未設置で、施工範囲に不備があったことを報告している。
さらに、同会に所属する千葉県流山市の50代男性オーナーが08年に建てた2シリーズ(『ヌーボグランスペランツァ』『ヴィラアルタ』)の3棟でも、屋根裏界壁、天井裏界壁に施工不備の違法建築が見つかった。これは、同社が違法建築の疑いがあると公表していたものとは別のシリーズだ。なお、同シリーズは全国に約4000棟あるため、違法建築発覚がさらに拡大する可能性が出てきた。
「新築当初から、階段の手すりが傾くなど不備があった。直してくれと再三頼んでいたが、連絡するたびに担当者が代わるなど、対応もひどかった。調査していなかったのにもかかわらず、実施したとうそをつき、違法建築ではなかったと伝えてきた。7月13日に、市の建築指導課の職員と、レオパレスの社員や建築士など8名の立ち会いのもと調査し、ようやく違法建築であったことを認めた」(同オーナー)。書面で修繕などの回答が得られる予定ではあるが、怒りが収まらない様子だった。