グループ所有の土地を活用
不動産の賃貸事業を行う東京ガス不動産(東京都港区)は、同社初となる学生寮2棟352戸を完成させた。どちらもJR中央線沿いに立地し、多数の大学・専門学校へアクセスしやすい。これを皮切りに、学生向け物件の企画を進める。
今回竣工したのは、「カレッジコート国分寺」「ラティエラアカデミコ三鷹」の2物件。共に14階建てのRC造で、各住戸にはバス・トイレを完備する。家具・家電を備え付けたワンルームだ。
カレッジコート国分寺は、国分寺駅から徒歩4分に立地し、全121戸。地域の自然をモチーフに、外観デザインは地層をイメージした。賃料は8万6800円。
ラティエラアカデミコ三鷹は231戸と規模が大きい。三鷹駅から徒歩5分、賃料は6万9500~8万9500円。建物内の食堂にて朝夕の食事提供があり、入居にあたっては食事の利用を必須とした。
2物件には、それぞれ環境配慮型の建材を使用。カレッジコート国分寺の食堂にある配膳スペースの壁タイルは、廃棄予定の化粧品をアップサイクルしたものだ。
開発推進部の大野木徹也氏は「ラティエラアカデミコ三鷹の階段壁面にも同様のタイルを使い、滝を表現したアート作品を設置した。アップサイクルによる循環型社会を、地球を循環する水に例えている」と話す。
今回、学生寮を企画する決め手になったのが、開発地の立地だ。JR中央線沿いには多数の大学があるため、一般向けより学生向け物件が最適だと判断した。2物件とも、東京ガスグループの土地を有効活用したもの。
新たな学生向け案件も進める。東京都足立区北千住にて、同社初となる学生マンションを企画している。2025年秋に竣工予定で、26年4月に入学する学生の入居を募集する予定だ。学生向け物件を含め、30年に賃貸住宅100棟の所有・運用を目指す。
(2024年3月18日2面に掲載)