建築設計やリノベーションを手がけるインターデザイン(大阪市)は10月12日、兵庫県神戸市元町で築古物件をリノベした民泊「かゑる屋」の運営を開始した。
古さ生かして日本らしさ演出
住宅として使われていた築60年・木造4階建ての物件にリノベを実施。29㎡のワンルームの2階を定員5人、39㎡のメゾネットタイプの3・4階を定員6人の客室とした。部屋にはキッチンやバスルームを備え、長期滞在にも対応する。宿泊料はオープン記念価格で2階が1泊4万円、3・4階が6万円(いずれも税込み)から。1階は商業店舗として入居希望者と交渉中だ。
内装・外装ともに、建物の古さを生かした和風のアクセントを取り入れている。室内天井には、京都の町家で使われていた古材を梁として使う。キッチンには日本の伝統色であるあさぎ色のタイルを貼り、寝室には和紙を使った照明を採用。外壁には鳥獣戯画風のカエルを大きく描いた。
元町は、幕末に外国人が住んだ旧居留地や中華街などの観光地を有するエリアだ。観光客や中華街に住む中国人の親族、神戸市が造成した人工島「ポートアイランド」の神戸国際会議場を訪れる外国人らの利用を見込み、初年度は180日の制限の中で稼働率80%を目指す。運営は、ゲストハウス事業を行うファミリアトレーディング(兵庫県神戸市)に委託。委託料は売上高の15%だ。
インターデザインの小寺源太郎社長は「当社が培ったリノベのスキルを生かして、物件の古さを宿泊施設としての魅力に変えることができた。買い手がつかない築古物件の活用法として提案していきたい」と話す。
インターデザイン
大阪市
小寺源太郎社長(59)
(2023年11月6日9面に掲載)