8月中旬以降家賃滞納率の上昇懸念

【連載】アメリカ不動産事情 第74回 新型コロナ禍での未払い賃料回収

投資|2020年08月03日

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ダラス市(テキサス州北部)郊外のアパート風景

 カリフォルニア州では6月中旬から新型コロナウイルス感染者数が増加傾向にある。BLM(黒人への差別問題)運動で3密の発生や、夏場に向け地元住民が週末のビーチに繰り出し、マスクなしの光景も増えている。長引く巣ごもりと在宅勤務を併用した新たなライフスタイルへの変化も検討すべきかもしれない。

新型コロナ禍での賃料未払いは家主向け保険の対象外

延滞率増加懸念から賃料割引の導入

 賃貸物件を抱える家主や管理会社では、当初予想したよりも家賃の回収が進んでいる。事実、米国連邦政府から中小所得世帯への生活支援金支給の効果から家賃の遅延率は平均で10%程度にとどまっている。一方でこうした支援策が止まる8月中旬以降は、時短導入を含めた企業の人員整理の可能性から延滞率の上昇も懸念される。本格的な賃貸活動期となる7月に入り新規入居件数も増えているが、提示される家賃には敏感で最初から家賃交渉となることもある。入居時に半月分の賃料免除を提示するなど実質的な家賃割引も増えている。さらに新築アパート物件では1カ月以上の無料賃料を宣伝することで入居時の賃借人の金銭的負担を軽減する意図もうかがえる。

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