不動産業界向けアウトソーシングサービスを手がけるシック・ホールディングス(東京都新宿区)は2023年12月13日、家賃支払い履歴を確認できる入居者用アプリ「Rireki(リレキ)」を開発した。
入居者用アプリを開発
家賃の引き落とし状況を確認できるようにすることで、入居者からの家賃支払い関連の問い合わせを減らす。将来的には家賃支払い履歴に応じた特典の付与など、入居者向けサービスにつなげる考えだ。子会社で決済ソリューション事業を行うインサイト(同)の家賃決済代行サービスを利用する入居者約53万人を対象に、24年1月下旬より無償で提供していく。
主な機能は、家賃支払い履歴の閲覧だ。インサイトには、入居者や取引企業である家賃債務保証会社・不動産会社からの家賃決済に関する問い合わせが月に約4000件寄せられる。入居者からは、引き落とし日の確認や、引き落としができているかといった問い合わせがある。取引企業にはすでに提供していた支払い履歴情報を入居者にも閲覧してもらうことで、入居者と取引企業・インサイト間の問い合わせに関わる負担を減らし、家賃決済代行サービス全体の利便性を向上させる。
履歴を見た入居者からの問い合わせへの対応をスムーズに行えるよう、チャット機能も搭載する。不動産業界の業務支援システムとの連携や、OEM(相手先ブランドによる生産)提供にも対応していく。
今後は、異業種を中心とした企業との協業を通して、家賃支払い履歴を入居者へのサービスに利用する考えだ。例えば、支払い履歴をポイントのように使って商品を受け取れるといったサービスを想定する。福地泰社長は「家賃をきちんと支払うという当たり前の行動に、新たな価値を創出したい。アプリの枠を超えて、入居者が家賃を支払っていてよかったと思えるサービスの開発に取り組んでいく」と話す。
シック・ホールディングス
東京都新宿区
福地泰社長(44)
(2024年1月22日10面に掲載)