Colors Japan(カラーズジャパン:東京都中央区)は、リフォーム会社や工務店、不動産会社など約7700社が会員の「全国優良リフォーム会員」を運営する。同組織は住宅設備の共同購入、共同広告などを展開。低料金で高利益率が見込めるリフォームと物件管理の同時受注を支援する。同社の藤田精社長に今後の展開について聞いた。
共同購入を強みにコストダウン実現
―御社は全国優良リフォーム会員を運営しています。どのような組織ですか。
全国優良リフォーム会員は、住宅設備の共同購入、施主向けの共同広告などを行う、全国ネットワークです。母体となる前の組織を立ち上げたのが2009年で、現在約7700社が会員となっています。会員はリフォーム事業を行う建設会社、工務店、リフォーム会社、リフォーム事業者を探しているマンションオーナー、管理会社、不動産会社などです。
―チラシを拝見しましたが、設備の価格が安いですね。
共同購入しているので、スケールメリットを生かした仕入れ価格をメーカーに交渉できるのが強みです。そのため、施主にはインターネットショップよりも安い価格で提供します。会員に提供するチラシデータにはネットで出ている最安値をすべて入れて、それよりも安い価格を表示します。どうせ施主はネットで欲しい設備の価格を検索しますから、最初から調べて掲載したほうがいいのです。
―安さの理由は何ですね。
私どもはメーカーから仕入れた商品に利益を乗せていないからです。組織自体は会費で運営しているため、利益を乗せなくても提供できるのです。
―会費はどのくらいですか。
会員種別が五つあり、その種別によって会費も異なります。300項目のサービスを提供しているのですが、利用できるサービス項目が会員種別によって違います。入会金が5万円から45万円まであり、月会費も全サービスが利用できる正会員が6万5000円、準会員が5万円、営業ツール会員と商材購入会員が3万8000円、顧客管理会員が1万8000円(いずれも税込み)となります。ちなみに最も多いのが商材購入会員で、6割を占めます。
―チラシは御社でフォーマットを作成して、会員に提供しているのですか。
当社で2カ月ごとにチラシを作り直します。そのうえでパターンも高齢者、高級住宅地、激戦地など配布する顧客層やエリアによって違うデータを提供。さらに、営業トークもしやすいようにチラシデータをダウンロードできるシステムに営業トークも付与しておくのです。例えば、チラシに掲載している洗面台をクリックすると、「20年以上使うものですから1万円高くても、くもり止めがついていて便利ですよ」とか「お湯の無駄遣いを抑えるエコ水栓をオプション提案してください」というセールストークが出てきます。これは組織を立ち上げ当初、不動産会社の会員が多かったことから、あまり工事について詳しくない営業社員でも提案できるように開発しました。
ペットの生活支援団体業務提携し会員増加
―7700社の会員はどのようにして増やしたのですか。
工務店やリフォ―ム会社を中心にファクスやDM(ダイレクトメール)を送って増やしていきました。チラシの作り方の勉強会を開催したり、工務店が苦手な営業・販促ツールの提供やコンサルティングを行ったりすることで、年間100社ほどのペースで増えて新型コロナウイルスの感染拡大前に1500社ほどになりました。コロナ下ではセミナーをあまり実施できなかったため、入会のペースが落ちました。しかし、23年1月に一般社団法人ペットライフスタイル協会(東京都港区)と業務提携し、一気に6000社ほど会員が増えました。
―この組織をつくったきっかけは何ですか。
全国優良リフォーム会員をつくる前、グループ会社の賃貸管理会社で住宅設備の共同購入を行っていたのです。今から15年ほど前のことです。当時は大阪を中心に管理戸数が1万3000戸ほどあり、リノベーションに注力していました。特徴のあるリノベだったことから、全国の管理会社が視察に来ていました。管理会社がオーナーからリフォームを受注しやすくするために、共同購入を始めたのがきっかけです。立ち上げ時は不動産会社40社からスタートしました。今では、大手賃貸仲介会社にも加盟してもらっています。
―会員が加入する理由は何ですか。
主に四つあります。一つ目は、先ほども話しましたが、問屋よりも安いことです。今、施工会社が設備を問屋から仕入れるよりも、ネットで購入したほうが安いケースが出てきています。その理由は、問屋は年に数台しか受注しない施工会社にはメーカーからの仕入れ値よりも2〜3割高くして卸しますが、ネットではスケールメリットを生かして、わずか1〜3%の利益を乗せて販売しているのです。私どもは利益を乗せていないので、施工会社は安く仕入れることができます。
―今、業界でそのようなことが起きているんですね。
さらに、資材が高騰しており、余計に施工会社も価格を上げざるを得なくなっているので、いかに仕入れ価格を抑えるかは重要な課題です。二つ目の理由は会員内で紹介サービスを受けられることです。施工会社といっても、塗装会社、内装会社というように専門分野によって、ユーザーから問い合わせをもらっても受けられない場合や地域が違う場合があります。本部では会員同士がマッチングできるサービスを受けられます。さらに人手が不足している点についても一般社団法人日本ベトナム産業人材育成機構(東京都品川区)経由で紹介することもできます。
―さまざまな業種が会員となっているだけあって、紹介サービスのニーズはありそうですね。
三つ目はチラシやパンフレットなどの営業ツールを私どもが作ることです。ホームページもつくります。施工会社の中には技術はあっても、営業力が弱かったり、集客力が弱かったりする会社が少なくないので、喜ばれています。
―なるほど、最後の四つ目は何ですか。
安心を提供できることです。会員になると工事賠償補償加入の事業者になれるため、リフォーム工事における万一のトラブルに備えてさまざまな補償を行います。また最長10年間の設備延長保証を提供しています。さらに、専用の相談窓口としてリフォーム紛争解決センターを設置し、利用者からのリフォームに関する苦情・相談に対応します。施工会社の中には、家族経営や小規模で経営している会社が少なくありません。そうすると、チラシに出ている工事価格がいくら安くても、施主は「つぶれたらどうなるのか」「大丈夫か」という不安を抱きます。会員は工事賠償補償加入の事業者になることで、施主の不安を解消することができます。
―今後の目標を聞かせください。
会員を増やしていきたいです。提供する商品には利益を乗せておらず、会費で運営しています。コロナ下ではセミナーをあまり開催できずにいたので、新規入会は増やせませんでした。今後はセミナーを増やしていき、5年後までに1万社を目指します。
1万円のプリン企画
これまで約40社のM&A(合併・買収)を行ってきた藤田社長。M&Aをした会社の一つにケーキ店がある。
大阪市の繁華街にあるケーキ店の顧客ターゲットは周辺にあるバーの女性スタッフやそのバーの顧客。藤田社長は単価を上げつつ、顧客ターゲットが喜ぶケーキの販売を思い付いた。1万円するプリンだ。数はそれほど多くはないが、コンスタントに売れているようだ。理由は高級クリスタルメーカーのグラスに入ったプリンだからだという。
「大切なのは掛け合わせ。単価を上げるために、どのようなものを組み合わせると新しい価値が生まれるのかを考えること」と藤田社長は話す。
藤田社長が経営するケーキ店
会社概要
社名:Colors Japan
住所:東京都中央区東日本橋3丁目3番14号 TKビル4階
設立:2009年12月8日
資本金:5151万円
事業内容:住宅設備の開発・製造・販売、共同広告、営業ツールシステムの開発、住宅建材・設備商材の仕入れ販売、リフォーム会社・不動産会社への営業支援
会社メモ
Colors Japanではリフォーム会社、工務店、不動産会社が約7700社加盟する全国優良リフォーム会員を運営。2018年ごろから積極的にM&Aを進め、不動産や空調設備、出版業、太陽光発電事業を展開する会社や、菓子店、温泉旅館、建設会社などを経営。
社長メモ
1973年8月、千葉県生まれ。99年、不動産会社の明来(大阪市)を設立。8年間で売上高100億円以上の規模に。M&Aを進めて、現在約40社を経営。現在は、2009年に設立したColors Japanの社長と一般社団法人優良リフォーム支援協会の理事を務める。
(2024年2月5日11面に掲載)




