大和ハウスグループである大和ハウス賃貸リフォーム(大阪市)の新社長に、小髙一浩氏が4月1日付で就任した。同社は主に、グループで建築した賃貸住宅のリフォーム・リノベーションを手がける。小髙社長は買い取り再販事業を強化し、2026年度には売り上げ400億円への成長戦略を描く。
〝オーナーに寄り添い〞成長
大型工事が伸長
大和ハウス賃貸リフォームが新たな成長の柱に据えるのが、買い取り再販だ。売り上げの主軸となっているリノベでは単価アップを図り、買い取り再販によって事業拡大に向けアクセルを踏む。
24年3月期の売り上げは、前期比約9%増の307億円。営業利益は同約5%増の24億5000万円だった。同社はグループで建築した賃貸住宅や、他社建築だがグループで管理している賃貸住宅などを対象に、再生の提案を行う。
リフォームやリノベ、買い取り再販を手がけ、主に外装工事を中心とした工事を実施する。1物件あたりの工事単価は平均270万円ほどだ。
24年3月期の売り上げをけん引したのが、単価1000万円以上の大型物件の工事だった。企業が所有する寮や社宅などの不動産を一般向けの賃貸住宅へ再生させる案件を完工した。
小髙社長は「人手不足や働き方改革、『物流2024年問題』に対し、対応件数を増加させて売り上げを追うのは現実的ではない」と考える。
営業スタッフ1人あたりの月次の売り上げ目標は約1000万円。受注件数実績で見ると、1人あたり月3.6件。今後は、目標件数を増やすのではなく、単価増加による売り上げ達成を目指す方針だ。
工事売り上げの内訳は、「グループで建築した物件」か「一般物件」かで区別しており、グループ建築物件の工事が76%を占めている。24%の一般物件には、企業不動産を含む。