1955年の創立以来、集合住宅において「まず上質であること」に注力してきた相互住宅(東京都品川区)。現在は賃貸業を強化する。RC造マンションシリーズ「フレンシア」をはじめとした取り組みについて、武富正夫社長に聞いた。
環境配慮のマンション開発
営業収益191億円 ストック収入向上
第一生命ホールディングス(東京都千代田区)のグループ会社である相互住宅(東京都品川区)が、マンション賃貸事業の強化を図っている。同社の2023年度の営業収益は191億円だ。近年は、マンション賃貸が収益の40%を占める。今後はさらにストックビジネスを強化する方針だ。
武富社長は「稼働中の既存物件を取得したり、所有物件のリノベーションや修繕を経た物件のバリューアップを行ったりすることで保有資産の収益性を上げていく」と話す。
4年にはオリジナル賃貸マンションブランドフレンシアシリーズを開発。東京都心部を中心に、コンパクトかつ高級感を持つRC造マンションシリーズだ。24年7月2日時点では、25棟1218戸を展開する。今後は、フレンシアシリーズを大阪市や愛知県名古屋市といった地方の主要都市にも展開していく方針だ。
社有地生かす 住宅供給を促進
同社は戦後の日本において、衛生的で文化的な住環境を整備し、提供することをモットーとして創立された。そのモットーに基づき同社の上質な空間づくりはスタートした。
「当時の第一生命保険相互会社の社長が、渡米時にアメリカの保険会社が国民に住宅を提供する様子を目にしたという。それに影響を受け、日本の保険会社でも日本で暮らす人々へ快適な暮らしを提供しようと、相互住宅を創業した」(武富社長)