賃借人が契約直前で調印を取りやめた場合、損害賠償請求をすることができるのか  

【連載】新・法律エクスプレス 第46回

法律・制度改正|2024年08月28日

締結直前での契約拒否長期間交渉で賠償の事例

Q. 私が賃貸している建物に入居希望者がいましたが、賃貸条件が整わずその方と長期間交渉を続けていました。しかし、契約締結直前に、その入居希望者は、突如契約の締結をしないと言い出しました。この場合、その入居希望者に対して、損害賠償請求ができるでしょうか。

A. 当事者には、契約締結の自由があります(民法521条1項)。そのため、原則として、契約条件などが折り合わずに契約締結に至らなかった場合、直ちに相手方に損害賠償義務を負わせることはできません。

 しかし、契約が成立しなかった場合でも、一方の当事者が他方の当事者に対して、契約準備段階で契約が締結されるであろうという信頼を与えた場合には、信義則上、その信頼を裏切らないように行為をする義務が生じることになります。

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