収益不動産の売買仲介を主軸とする富士企画(東京都新宿区)は、ヒアリングを重視した営業手法で紹介やリピーターを獲得し、売買仲介事業を拡大してきた。売買仲介後には管理を受託。入居率の維持・向上に注力する。新川義忠社長に、同社の営業手法や今後の注力ポイントを取材した。
顧客の生涯設計から物件提案
郊外エリアが中心 3000戸超を管理
富士企画は、投資家の実現したい目標をヒアリングし、達成に必要な資金が得られる収益不動産を提案する。投資家の満足度を高めることで、新規顧客の紹介や、リピート案件につなげている。
グループ会社のクリスティ(さいたま市)を含め、売上高(非開示)のうち、売買仲介の手数料売り上げが全体の8割強を占め、主軸事業となっている。売買仲介後に管理を受託。管理戸数は2020〜24年の5年間で500戸超伸ばした。管理戸数は8月末時点で3045戸だ。顧客は副業で不動産投資を行うサラリーマン投資家がほとんどだという。
売買仲介で取り扱う物件は神奈川県や埼玉県、千葉県など、東京都周辺の郊外エリアに所在する。物件種別は区分マンションや戸建て賃貸、一棟マンションなどが中心。取扱額は200万〜5億円と幅広く、平均すると3000万円程度だという。
「郊外エリアの物件は都内のものよりも取得価格が抑えられ、利回りが高くなりやすい。都内のベッドタウンとして賃貸需要も望めるため、郊外エリアの物件を提案することが多い」(新川社長)
同社が提案する収益不動産の平均表面利回りは7〜20%ほど。
従業員数約40人のうち、営業社員は20人と半数。